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フィリピンに行く前に、少しだけ立ち止まって考えてみてください。
「日本では当たり前のことが、フィリピンでは深刻な侮辱になる」——そんなケースが実は山ほどあります。ジェスチャーひとつ、何気ない一言、写真を撮るときのポーズ。現地の語学学校のスタッフや先生、親しくなった人やその周囲の人との関係が、知識ひとつで大きく変わります。
この記事では、フィリピン移住で数十年滞在した私が「現地で実際に問題になりやすいNG行為」を11選を徹底解説します。
具体的なNG行為に入る前に、背景を押さえておきましょう。フィリピン人の行動原理には、大きく3つのキーワードがあります。
プライド(Hiya)/恥(Amor propio)/宗教(カトリック)
フィリピン社会では「人前で恥をかかされること」を極端に嫌い、かつ自分や国へのプライドが非常に高い。加えて国民の約85%がカトリック信者で、宗教が日常生活の根底に根ざしています。以下に紹介するNG行為は、この3つのどれかに必ず触れています。
| # | NG行為 | 一言メモ |
|---|---|---|
| 1 | 「バカ」「オマエ」などの日本語 | 意味を知っているフィリピン人は想像以上に多い |
| 2 | 国旗・国歌・フィリピンを侮辱する | 最大のタブー。法律違反になることも |
| 3 | 大勢の前で怒鳴る・恥をかかせる | 「恥の文化」に真っ向から逆らう行為 |
| 4 | 人差し指を曲げて「こっちに来い」 | 犬を呼ぶジェスチャーと同じ |
| 5 | OKサイン(指で輪を作る) | 性的な侮辱を意味する場合がある |
| 6 | ピースサイン(Vサイン) | フィリピンでは「浮気者」の暗喩 |
| 7 | 人差し指で人を指さす | 強い侮辱行為とみなされる |
| 8 | 頭を触る・叩く | 頭は神聖な部位とされている |
| 9 | カトリック・宗教を否定する発言 | 国民の85%がカトリック信者 |
| 10 | 足の裏を相手に向ける | 最も不浄な部位とされている |
| 11 | 年長者より先に食べ始める | 食卓での上下関係は厳格 |

これは、日本人が特に知っておくべきことです。
「フィリピン人には日本語が通じないから大丈夫」——この思い込みは大きな間違いです。「バカ」の意味を知っているフィリピン人は、あなたの想像をはるかに超える人数います。「オマエ」「オマエら」も、侮辱的な呼び方として広く認知されています。
なぜここまで広まったのか。諸説ありますが、フィリピン人女性が日本で過酷な扱いを受けた実話がドラマ化され、そのなかで日本人が「バカ」「オマエ」と侮辱する場面が繰り返し描写されたことが影響していると言われています。
語学学校の先生やスタッフの前で、友人と日本語で軽口を叩く場面は留学中に必ずあります。そのときに「どうせわからない」と油断しないでください。傷つけてしまったあとでは、信頼関係の修復に時間がかかります。
現地の人がいる場でも、日本語での言葉遣いに気を配りましょう。丁寧な言葉は習慣です。

フィリピン人の国家・民族に対するプライドは、日本人の感覚をはるかに超えています。たとえジョークのつもりでも、フィリピンという国そのもの、国旗、国歌を馬鹿にする発言は絶対にNGです。
フィリピンには「反逆罪法」があり、国旗や国歌を侮辱する行為は法律違反になることもあります。
フィリピンの文化・食・自然への興味を伝えると、現地の人はよろこんで話してくれます。

フィリピン人は「恥をかかされること」に対して非常に敏感です。仕事中にミスをしたスタッフを大勢の前で叱ったり、公衆の場で声を荒げたりすると、相手は激しく傷つきます。
フィリピン駐在のビジネスパーソンが現地で最初にレクチャーされることのひとつが、この「叱り方」です。フィリピンの家庭では子どもを叱らない親も多く、大声で怒られる経験への免疫が少ない人も珍しくありません。
※留学中も同じです。語学学校のスタッフや先生に不満があっても、感情的に声を荒げることは避けましょう。
個室か人目のない場所で、1対1で、穏やかに伝える。これがフィリピン流の問題解決です。

日本では人を呼ぶときに人差し指を立てて「クイッ」と曲げますが、フィリピンではこれは犬を呼ぶときに使うサインです。人に対してやると「あなたは犬と同じ」という強烈な侮辱になります。
語学学校の先生や受付スタッフを呼ぶ場面で、無意識にやってしまいがちなので注意が必要です。
人を呼ぶときは手のひらを下に向けて、指を全部そろえて下に動かすのがフィリピン式です。

「大丈夫・了解」の意味でよく使うOKサインですが、フィリピンを含む一部の国では性的な侮辱を意味する下品なサインとして受け取られることがあります。
特に知り合ったばかりの人や目上の方に対しては使わないようにしましょう。
「大丈夫」「良い」を伝えたいときは親指を立てるサムズアップを使いましょう。

写真を撮るとき、日本人が無意識にやるピースサイン(V字サイン)。実はフィリピンでは「浮気をしている人」を表す暗喩として使われることがあります。
留学中、先生やクラスメートと写真を撮る機会は多いはずです。何気なく出したピースサインで場の空気が変わってしまうことがあるので、覚えておいてください。
写真のポーズはサムズアップか、手を振るだけでも十分です。

フィリピンでは人を指さす行為は強い侮辱として受け取られます。「あなたを見下している」というメッセージになってしまいます。
レストランでメニューを指すときや道案内のときなど、つい無意識にやってしまうシーンがあります。
方向を示したいときは、手のひら全体や顎・唇を使って示しましょう。フィリピン人は唇を突き出して方向を示す「リップポインティング」という文化も持っています。

フィリピンでは頭は霊的に神聖な部位とされています。親しい間柄でも、ふざけて相手の頭をポンポンと叩いたり、子どもの頭を撫でる行為は失礼にあたります。
日本では可愛がるときに頭を撫でることが多いですが、現地の子どもに対して同じことをするのは控えましょう。
親しみを示したいときは、笑顔と握手が最も無難です。

フィリピンは国民の約85%がカトリック信者で、東南アジア最大のキリスト教国です。宗教は日常生活に深く根ざしており、その信仰心は日本人の想像をはるかに超えています。
「神様なんて信じない」「宗教は意味がない」といった発言は、相手の存在そのものを否定するに等しい行為です。カトリックの教えから離婚もタブーとされており、この話題も慎重に扱う必要があります。
宗教の話題は、敬意を持って聞く姿勢が大切です。フィリピン人の信仰について興味を持って質問すると、よろこんで話してくれることが多いです。

多くのアジア諸国と同様、フィリピンでも足の裏は最も不浄な部位とされています。椅子に座るときに足を前に投げ出したり、足を机に乗せる行為は非常に失礼です。
床に座るスタイルのフィリピン家庭に招かれた際は特に気をつけましょう。
足は常に床に向け、足を組む場合も相手に足の裏を向けないよう意識しましょう。

フィリピンでは食卓での上下関係が非常に重視されます。家族や仲間での食事の場では、最年長の人が料理を取り始めてから自分も食べ始めるのが基本のマナーです。
また「Mano po(マノ・ポ)」というフィリピン独自の敬礼文化もあります。年上の人の手の甲に自分の額を軽く当てて敬意を示す習慣で、現地の家族の家に招かれたときに実践すると、非常によろこばれます。
食事の場では周囲の様子を見ながら、年長者を優先する姿勢を心がけましょう。
はい、あります。フィリピンでは感情を直接表に出すことを避ける文化があります。不満や怒りを感じていても笑顔でいることが多いため、「笑っているから大丈夫」とは限りません。言動には常に気を配りましょう。
絶対NGというわけではありませんが、誤解を生むリスクがあります。特に初対面の人や公式な場では避け、サムズアップを使う習慣にしておくと安心です。
すぐに「I’m sorry, I didn’t know that was rude.(知らずに失礼なことをしてしまいました)」と謝りましょう。フィリピン人は基本的に温かく、誠実な謝罪は受け入れてくれます。
「バカ」「オマエ(オマエら)」が代表的です。日本語全般への注意意識を持っておくことが大切です。特に宴席やカジュアルな場でつい口をついて出やすいので気をつけましょう。
今回紹介した11のNG行為に共通するのは、冒頭でも触れた「プライドの高さ」「恥への敏感さ」「信仰の深さ」です。
表面上はフレンドリーで陽気に見えるフィリピン人も、侮辱や恥をかかされると強く傷つきます。ルールを守るよりも、相手への敬意と配慮を心に持って接することが、フィリピンで信頼関係を築く最大のコツです。
フィリピン留学では語学の上達だけでなく、こうした文化の違いへの理解も大きな財産になります。現地の先生や知人・友人との交流を、ぜひ思いっきり楽しんでください。
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金融機関に勤務しながらフィリピンに魅せられ、週末渡航を繰り返すこと数十回。スラムに招待されたり、ホテルで荷物荒らしに遭ったりしながら、ついにはフィリピン人と結婚し、現地に家を購入。

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