フィリピンの大学の入試と出願書類|試験の内容・アポスティーユの手続き

【やさしく解説】フィリピンの大学の入試制度まとめ!試験難易度や申請書類の作成

「フィリピンの大学に進学したい。でも、手続きは複雑そうだし、入試の内容もよく分からない…」と困っていませんか?

フィリピンの大学には、日本のような全国共通の試験がありません。入試の時期も内容も大学ごとに違い、出願書類には日本の外務省の証明(アポスティーユ)も必要です。何から手を付ければいいか分からないまま一人で進めるのは、とても大変です。

この記事では、次の4つをまとめました。

  • フィリピンの大学の入試と入学の時期
  • 日本で準備する出願書類とアポスティーユの手続き
  • 現地での受験の申し込みから入学手続きまでの流れ
  • 入試の内容・難易度と、必要な英語力

フィリピンの大学への進学を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

フィリピンの大学への正規留学の全体像は「フィリピン大学留学ガイド」で解説しています。

この記事の確認記録
執筆:田中慎一(代表・現地視察70校以上)/確認:フィリピン留学Hub編集部
最終確認:2026年9月24日
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フィリピンの大学の入試・入学の時期

フィリピンの大学の入試・入学の時期

日本の大学は1〜3月ごろに入試があり、4月に入学するのが一般的です。フィリピンでは、入試の時期も回数も大学によって違います。特に、マニラの難関大学と地方の大学では、入試の時期が大きく異なります。

マニラの難関大学:入試は入学の1年ほど前

フィリピン大学・デ・ラサール大学・アテネオ・デ・マニラ大学などマニラの難関大学は、入学が年1回(例年8〜9月ごろ)です。入試は入学の1年ほど前に行われ、入学する前の年の夏〜年末に、試験や出願の締め切りがあります。

受験から入学まで1年近く空くため、海外から受験する学生にはハードルが高い方式です。

地方の大学:年2回入学できるところが多い

地方の大学は、年に2回(8月ごろと1〜2月ごろ)入学の時期があるところが多く、日本の「前期」「後期」に近い仕組みです。入試は入学の1か月ほど前に行われることがほとんどです。受験のチャンスが年に2回あるので、留学生でも挑戦しやすい方式です。

入試や入学の時期は、大学や年によって変わることがあります。最新の日程は、出願する大学の公式サイトで必ず確認しましょう。

書類の準備から入学までの流れ

フィリピンの大学に入学するまでの大まかな流れは、次のとおりです。

やること地方の大学マニラの難関大学
書類の準備(英訳・外務省のアポスティーユ。私立の学校の証明書は先に公証役場。フィリピン大使館での認証は不要)入学の4か月ほど前から入学の1年2か月以上前から
受験の申し込み・入学試験入学の1か月ほど前(フィリピンへ渡って受験)入学の1年ほど前
合格発表試験の当日か翌日が多い大学によって異なる
入学年2回(8月ごろ・1〜2月ごろ)年1回(8〜9月ごろ)

日本で準備する出願書類とアポスティーユの手続き

日本で準備する出願書類とアポスティーユの手続き

フィリピンの大学の入試を受けるには、日本で書類をそろえ、外務省の証明(アポスティーユ)を付けておく必要があります。取り寄せや手続きに時間がかかるので、早めに動きましょう。

書類の準備は、地方の大学なら入学の4か月ほど前、マニラの難関大学なら入学の1年2か月以上前から始めると安心です。

ここでは、自分で書類を準備する場合の流れと費用を説明します。大学ごとに求められる書類の一覧はフィリピンの大学の入学条件にまとめています。

1)日本でそろえる3つの書類

留学する前に、日本で次の3つの書類を取得しておきます。

  1. 最終学歴(高校以上)の学校の卒業証明書(英訳)
  2. 最終学歴(高校以上)の学校の成績証明書(英訳)
  3. 戸籍謄本(全部事項証明書)(英訳)

3つとも英訳が必要です。卒業証明書と成績証明書は、学校に頼めば英文のものを発行してもらえます。戸籍謄本(全部事項証明書)は、自分で英訳を用意します。

2)書類にアポスティーユを付ける(フィリピン大使館での認証は不要)

書類がそろったら、日本の外務省で「アポスティーユ」という証明を付けてもらいます。アポスティーユが付いた書類は、フィリピン大使館・領事館で認証を受けなくても、そのままフィリピンで使えます。

2019年5月14日から、フィリピンでもハーグ条約(外国公文書の認証を不要とする条約)が効力を持つようになりました。日本も締約国のため、日本の書類をフィリピンに出すときは、外務省のアポスティーユで足ります。

以前は、外務省の証明のあとに日本にあるフィリピン大使館・領事館で認証(いわゆる「レッドリボン認証」)を受ける必要がありました。アポスティーユの付いた書類には、この手続きは要りません。

書類ごとにやること

外務省でそのままアポスティーユを受けられるのは、役所や公立の学校が出す「公文書」です。私立の学校や大学が出す証明書は、先に公証役場で認証を受けます。

書類手続きの流れ
戸籍謄本(全部事項証明書)外務省でアポスティーユを受ける(市区町村が出す公文書のため、そのまま受けられる)
公立高校の卒業証明書・成績証明書外務省でアポスティーユを受ける(そのまま受けられる)
私立高校・国立大学の附属高校・高専・私立の専門学校・大学(国立・公立・私立とも)の卒業証明書・成績証明書公証役場で公証人の認証 → 法務局で公証人押印証明 → 外務省でアポスティーユ
自分で作った英訳(大学が英訳にも認証を求める場合)訳した人が「正しく訳した」と書いた宣言書に署名し、英訳と原本を付けて公証役場で認証 → 法務局 → 外務省でアポスティーユ
  • 外務省で証明を受けられるのは、発行日から3か月以内の原本です(学位記など一度しか発行されない書類で、提出先が古い日付のものを求めている場合は受けられます)。コピーには証明を付けられません。
  • 英文の証明書は、学校の公印が押されたものを発行してもらいます。学校長の署名だけのものは、外務省で認証できません。
  • どの書類が必要か、英訳にも認証が要るかは大学によって違います。手続きを始める前に、出願する大学に確認します。

3)私立の学校・大学の証明書は公証役場を通す

私立の学校や大学が出した証明書は、外務省で直接アポスティーユを受けられません。公証役場で公証人の認証を受け、その公証人が所属する法務局で「公証人押印証明」を受けてから、外務省に申請します。

次の都道府県の公証役場では、頼めば公証人の認証・法務局の証明・外務省のアポスティーユを1回で受けられます(ワンストップサービス)。法務局や外務省に出向く必要はありません。

  • 北海道(札幌法務局の管内)
  • 宮城県
  • 東京都
  • 神奈川県
  • 静岡県
  • 愛知県
  • 大阪府
  • 福岡県

埼玉・茨城・栃木・群馬・千葉・長野・新潟の7県の公証役場では、公証人の認証と法務局の証明を一度に受けられます。そのあとで、外務省にアポスティーユを申請します。

それ以外の地域では、公証役場で認証を受けたあと、その公証人が所属する法務局で「公証人押印証明」を受けてから、外務省にアポスティーユを申請します。

近くの公証役場は全国の公証役場一覧で探せます。

4)外務省でアポスティーユを受ける

戸籍謄本・公立高校の証明書と、公証役場で認証を受けた書類は、外務省でアポスティーユを受けます。ワンストップサービスを使った書類は、この手続きは要りません。

申請は郵送か窓口で、東京の外務本省と大阪分室の2か所で受け付けています。外務省は、できるだけ郵送で申請するよう案内しています。郵送で送るものは、書類の原本・申請書(外務省のホームページからダウンロードできます)・返送先を書いた返送用封筒(追跡できるレターパックがすすめられています)です。

海外からの郵送申請は受け付けていません。すでにフィリピンにいる場合は、日本に住んでいる人に代わりに申請してもらいます(本人が署名した委任状が必要です)。

アポスティーユを受けるまでにかかる時間

書類に不備がなければ、外務省は郵送の申請を受け取った3開庁日後(土日祝日を除いて3日後)に、証明済みの書類を返送します(例:月曜日に受け付けたものは木曜日に発送)。

書類の準備にかかる費用

手続き費用
外務省のアポスティーユ無料(郵送料は自己負担)
公証役場の認証(私立の学校・大学の証明書、英訳など)公証人の手数料がかかる(金額は書類の種類によって変わる)
フィリピン大使館・領事館での認証不要

外務省のアポスティーユは無料です。郵送で申請する場合、返送を含む郵送料は自分で負担します。公証役場で認証を受ける書類は公証人の手数料がかかり、金額は書類の種類によって変わります。ワンストップサービスも有料です。

学生ビザの書類にもアポスティーユが要る

日本にあるフィリピン大使館で学生ビザ(9F)を申請する場合は、日本の警察で取る犯罪経歴証明書と、医師の健康診断書にもアポスティーユが必要です。私立の病院で出した健康診断書は、先に公証役場で認証を受けます。学生ビザの手続きは、合格した大学を通して進みます。ビザの種類や取り方はフィリピンの大学留学に必要なビザで解説しています。

出願する大学の公式サイトで必要書類を確かめる

ここまでの3つの書類のほかに、銀行口座の残高証明など、学費を払えるだけの資金があるかを確かめる書類を求める大学もあります。どんな書類が必要か、出願する大学の公式サイトで調べておきましょう。

フィリピンに渡って受験を申し込み、入試を受ける

フィリピンに渡って受験を申し込み、入試を受ける

ここでは、地方の大学を受ける場合の流れを説明します。書類がそろったらフィリピンへ渡り、希望する大学で受験を申し込みます(マニラの難関大学は、オンラインで出願します)。

1)大学の窓口で受験を申し込む

大学の留学生向けの窓口か、入試を担当するオフィスを直接訪ね、「入学のために入試を受けたい」と伝えるところから始まります。地方の大学では、現地の大学に出向いて申し込むのが基本です。オンラインで出願を受け付ける大学もあるので、申し込みの方法と時期は、事前に大学に確認しておきましょう。

申し込みのときに、外務省でアポスティーユを受けた次の書類(英訳を付けたもの)を見せるよう求められることがあります。

  • 戸籍謄本
  • 高校以上の学歴の卒業証明書
  • 高校以上の学歴の成績証明書

この時点では見せるだけで、提出はしません。

2)大学から試験日の案内を待つ

申し込みが済むと、大学から試験日などの案内があります。その日程に合わせてもう一度大学へ行き、入試を受けます。

受験料がかかるかどうか、いくらかかるかは、大学・学部によって異なります。申し込みのときに確認しておきましょう。

3)入試当日の流れ

当日は、指定の時間より前に大学へ行き、試験会場の近くで待ちます。初めて行く大学は構内の様子が分からないので、事前に会場の場所を調べておくか、1時間ほど早めに着いて確かめておくと安心です。

試験の数十分前に会場が開き、大学のスタッフが試験の流れや注意事項を説明します。スタッフの説明は英語です。

4)合格発表と入学手続き

英語力の試験で合否を決める地方の大学では、合否は試験の当日か翌日に出ることがほとんどです。午前中に試験を受け、午後には結果が分かることもあります。

結果は、試験の窓口の担当者から伝えられます。どこへ結果を聞きに行くかは試験のときにスタッフから案内があるので、その指示に従います。合格したら、大学から伝えられる日にもう一度大学を訪れ、入学手続きをします。

入学手続きでは、外務省でアポスティーユを受けた次の書類(英訳を付けたもの)が必要です。

  • 戸籍謄本
  • 高校以上の学歴の卒業証明書
  • 高校以上の学歴の成績証明書

学費は、入学手続きのときに現地通貨で大学に直接払います。

フィリピンの大学の入試の内容と難易度

フィリピンの大学の入試の内容と難易度

フィリピンには、日本の大学入学共通テストのような全国共通の試験の制度はありません。大学ごとに独自の試験を受け、その内容は大学によって大きく異なります。

マニラの難関大学:フィリピン人と同じ科目で受験する

トップクラスの大学では、数学・科学・英語など、フィリピン人の受験生と同じ複数の科目を受けるのがほとんどです。英語が使えるフィリピンの学生にとっても難関の試験なので、日本人にはかなりハードルが高いです。

地方の大学:英語力を測る試験が中心

地方都市の私立大学は、基本的に英語力を測る試験で合否を決めます。形式は大学によって多少違いますが、ほとんどは英語の筆記試験と、面接でのスピーキングテストです。IT系や理系の学部では、簡単な数学の試験が加わることもあります。

試験時間は1時間から1時間半ほどが目安で、大学の教室で受けることがほとんどです。

日本の学生には、地方都市の大学か、英語力の試験だけで合否を決める大学への進学をおすすめしています。

どれくらいの英語力が必要?

どれくらいの英語力が必要?

求められる英語力は、大学・学部によって大きく異なります。IELTSやTOEFLのスコアをどう扱うかも大学ごとに違うので、出願する大学の条件を必ず確認しましょう。

マニラの難関大学の場合

フィリピン大学・デ・ラサール大学・アテネオ・デ・マニラ大学などの難関大学は、基本的に英語力だけを測る試験を行っていません。「英語はできて当たり前」という前提で、授業も入試も英語で行われるためです。海外の高校を卒業した受験生は、大学の試験の代わりにSAT(アメリカの大学進学適性試験)のスコアで出願する大学もあります。

当社が勧める英語力の目安は、IELTS 6.0〜6.5ほどです。

地方の大学の場合

地方の大学は、大学独自の英語の試験で合否を決めます。IELTSやTOEFLのスコアが英語力を判断する材料になることはありますが、スコアで大学の英語の試験が免除になるかどうかは大学によって異なります。入学後はすべて英語で授業を受けるので、授業についていける英語力を目標に準備しましょう。当社が勧める目安は、IELTS 5.0〜5.5ほどです。

入試に向けた英語の準備

入試に向けた英語の準備

フィリピンの大学進学を考える人の中には、「まだ英語は話せないけれど、挑戦したい」という人もいるでしょう。

英語の勉強は日本でもできます。そのうえで、入学前にフィリピンで英語を集中して学び、大学の授業についていける力を付けてから受験するのがいちばんの近道です。

英語の準備・入試対策・出願の手続きをまとめて進めたい方は、フィリピンの大学進学対策のページもご覧ください。

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まとめ

フィリピンの大学の入試について、時期・出願書類・当日の流れ・試験の内容をまとめました。

  • 入試の時期と内容は大学ごとに違う。マニラの難関大学は入学の1年ほど前に入試があり、試験も難しい。地方の大学は年2回入学でき、英語力を測る試験が中心
  • 出願書類は外務省でアポスティーユを受ける。フィリピン大使館での認証は不要。私立の学校・大学の証明書は、先に公証役場で認証を受ける
  • 地方の大学は、現地に渡って受験を申し込む。合否は試験の当日か翌日に出ることがほとんど

マニラの難関大学は、試験が難しいうえに入学まで1年近く待つ必要があるため、日本の学生には現実的な進学先とは言えません。バギオやセブなど地方の大学や、マニラの中堅の私立大学が進学先の候補になります。

フィリピンの大学は、日本より柔軟な面もあります。中堅の大学から始めても、よい成績を残せば、よりレベルの高い大学に移れる場合があります。

ただし、進学までには書類の準備や大学とのやり取りなど、手間のかかる作業がたくさんあります。手続きをサポートしてくれる大学留学の専門エージェントを使うほうが確実です。

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この記事を書いた人

フィリピン留学Hub代表。2013年からフィリピン・セブ島留学の支援を続けて13年。自身も2度のフィリピン留学を経験し、TOEIC900・IELTS6.5を取得。

語学学校70校以上を現地で視察し、年間1,000件以上の留学相談に対応。学校の良い点も弱点も、見てきたまま正直に書いています。