フィリピンの大学の入学条件|日本の高校卒業で出願できる?年齢と必要書類

「フィリピンの大学に進学したい。でも、日本の高校を卒業しただけで出願できるの?」と迷っていませんか?

フィリピンの大学の募集要項は、フィリピン国内の学生に向けて書かれていることがほとんどです。日本人がどの条件に当てはまるのか、英語のサイトを読んでもなかなか分かりません。

この記事では、フィリピン大学・アテネオ・デ・マニラ大学・デ・ラサール大学・サント・トーマス大学の留学生向けの公式の案内を確かめたうえで、次の5つをまとめました。

  • 日本の高校(12年間)を卒業してすぐ出願できるか
  • 年齢の条件
  • 英語力の条件と、入試の代わりに使えるスコア
  • 必要書類の一覧(何をどこで取るか)
  • 大学の種類ごとの違い

フィリピンの大学への正規留学の全体像は「フィリピン大学留学ガイド」で解説しています。

この記事の確認記録
執筆:田中慎一(代表・現地視察70校以上)/確認:フィリピン留学Hub編集部
最終確認:2026年9月24日
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各大学の入学条件や入試の内容は、毎年変わる可能性があります。

フィリピンの大学に出願するための条件の全体像

入学試験を受ける学生たち

フィリピンには日本の大学入学共通テストのような全国共通の試験がなく、条件は大学ごとに決まっています。細かな違いはありますが、日本人が1年生として出願するときに見られる条件は、次の6つです。

条件内容
学歴高校を卒業している(または卒業見込み)。SATなどのスコアで出願する場合に「13年の基礎教育」を求める大学もある(UST)
大学に通ったことがない1年生として出願できるのは、大学の授業を受けたことがない人。通ったことがある人は編入などの別の枠になる
年齢大学に通うための学生ビザ(9F)は18歳以上が対象。主要4大学の案内に年齢の上限は書かれていない
英語力英語で授業をしない高校の出身者に、英語の試験のスコアを求める大学がある
入試大学独自の入試を受ける。SATなどのスコアで入試に代えられる大学もある
書類高校の成績証明書・卒業証明書・パスポートなど。日本の書類には外務省の証明(アポスティーユ)を求める大学がある

ここから、ひとつずつ詳しく見ていきます。

日本の高校(12年間)を卒業してすぐ出願できる?

結論から言うと、フィリピン大学・アテネオ・デ・マニラ大学・デ・ラサール大学の3校は、公式の案内の上では日本の高校の卒業生(卒業見込みを含む)が出願できます。サント・トーマス大学(UST)は、SATなどのスコアで出願する場合の条件に「13年の基礎教育」を挙げています。この条件に当てはまらない人は、大学独自の入試(USTET)で出願できると案内されています。

フィリピンの基礎教育は13年、日本は12年

フィリピンは「K to 12」という制度で、幼稚園1年+小学校6年+中学校4年+高校2年の13年が基礎教育です(フィリピン教育省)。日本は小学校6年+中学校3年+高校3年の12年です。

小学1年から数えた学年の数はどちらも12なので、日本の高校3年はフィリピンの「Grade 12」にあたります。違うのは、フィリピンでは幼稚園の1年が基礎教育に含まれている点です。

フィリピン政府の外国人留学生の受け入れの決まり(大統領令423号)では、大学に入るには「高校またはそれと同等の課程を卒業していること」が必要とされています。外国の学校制度との同等性はCHED(フィリピン高等教育委員会)が大学に示し、判断に迷うときは、大学がCHEDの意見を聞いてから受け入れを決めます。日本の高校の卒業をどう扱うかは、最終的には出願する大学が決めます。

主要4大学の扱い(留学生向けの公式の案内より)

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大学外国の高校の出身者の扱い日本の高校卒業ですぐ出願
フィリピン大学(UP)学んだ国の高校の課程を修了していることが条件。SAT・IBディプロマ・GCE Aレベルの基準を満たせば、入試(UPCAT)を受けずに出願できる。満たさない場合はUPCATを受ける○
アテネオ・デ・マニラ大学フィリピン国外の学校の在学生・卒業生は「留学生の1年生出願者」になる。教育の年数の条件は書かれていない○
デ・ラサール大学国内外の学校でGrade 12を終えた人(卒業見込みを含む)で、大学の授業を受けていない人○
サント・トーマス大学(UST)SATなどのスコアで出願する場合は「13年の基礎教育を終えているか、13年目に在学中であること」が条件。当てはまらない人は大学独自の入試(USTET)で出願できる。外国の学校の出身者は、どちらの場合も出願の前にUSTの登録担当部署(Office of the Registrar)の許可(クリアランス)を受ける△
事前に確認

USTの「13年」は、フィリピンの幼稚園の1年を含めた数え方です。日本の12年(小・中・高)でSATなどのスコアによる出願ができるかどうかは、公式の案内には書かれていません。USTを受けたい方は、出願の前に登録担当部署のクリアランスで、出願の方法(スコアか入試か)とあわせて必ず確かめてください。

ほかの大学も、年度によって条件が変わることがあります。出願する年の募集要項を、大学の公式サイトで確かめてから準備を始めましょう。

日本で大学・短大・専門学校に通ったことがある人

フィリピン大学・アテネオ・デ・ラサールは、1年生として出願できる人を「大学の授業を受けたことがない人」に限っています。フィリピン大学は、高校卒業後に大学の授業や、ディプロマ・准学士などの短い課程の授業を受けた人を、1年生の入試の対象から外しています。

日本で大学などに通ったことがある人は、次のような別の枠で出願します。

  • フィリピン大学:ほかの大学で33単位以上を取ったうえで、編入の出願をする
  • アテネオ・デ・マニラ大学:編入は、ほかの大学で1学期以上を終えた人が対象。すでに学士号を持っている人は出願できない
  • デ・ラサール大学:編入のほか、2つ目の学士号を取るための出願枠がある

社会人になってから進学を考えている方は、日本での学歴によって出願の枠が変わります。早めに確かめておきましょう。

年齢の条件

大学に通うための学生ビザ(9F)は、入学の時点で18歳以上の外国人が対象です(在日フィリピン大使館・フィリピン入国管理局)。日本の高校を卒業した年の8〜9月に入学するなら、18歳の条件は満たしています。

年齢の上限は、今回確かめた4大学の留学生向けの案内には書かれていません。当サイトでフィリピンの大学に入学した体験記を書いた卒業生も、日本で働いたあと23歳で入学しています。

デ・ラサール大学は、18歳未満でも保護者の同意書を出せば出願用のアカウントを作れます。高校在学中から出願の準備を始めて問題ありません。

学生ビザの取り方と必要書類は「フィリピン大学留学のビザ」の記事で解説しています。

英語力の条件

フィリピンの大学は、授業も入試も基本的に英語です。英語力をどう確かめるかは、大学によって違います。

  • フィリピン大学:母語や高校の授業の言葉が英語でない人は、入試を受けずに出願する場合、IELTS 5.5以上(またはTOEFLの所定の点)が必要
  • アテネオ・デ・ラサール・UST:留学生向けの案内に、英語の試験のスコアの条件は書かれていない。大学独自の入試などで英語力が見られる

当社がすすめる英語力の目安は、難関大学でIELTS 6.0〜6.5ほど、地方の大学で5.0〜5.5ほどです。スコアの提出を求めない大学でも、入学後に英語の授業についていくには、このくらいの力が要ります。

英語の準備の進め方は「フィリピンの大学進学対策」のページにまとめています。

入試の代わりにSATなどのスコアで出願できる大学

海外の高校の出身者は、SATなどの国際的な試験のスコアを大学の入試の代わりに使える場合があります。

大学使えるスコアと基準
フィリピン大学SAT 1270以上(数学620以上・読解と文章650以上。受けてから4年以内)、GCE(Oレベル2科目+Aレベル3科目)、IBディプロマなど
アテネオ・デ・マニラ大学SAT 1100以上(出願期間の前2年以内に受けたもの)、IBの予想スコア28点以上など
デ・ラサール大学SAT・AP・IB・Aレベルの結果(大学の基準で審査)
サント・トーマス大学SAT 1200以上(2つの分野とも600以上。2年以内)、ACT 27以上など。面接などをあわせて求められることもある

スコアを出しても合格が約束されるわけではなく、高校の成績や推薦状などとあわせて審査されます。大学独自の入試の内容と難易度は「フィリピンの大学の入試と出願書類」の記事で解説しています。

必要書類の一覧(何をどこで取るか)

主要4大学の留学生向けの案内をもとに、日本人が用意する書類をまとめました。求める書類は大学によって違うので、出願する大学の最新の一覧と照らし合わせてください。

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書類どこで取るか求める大学の例・使いみち
パスポート住民登録のある都道府県のパスポート窓口UST・アテネオ・デ・ラサール(外国籍の出願者の身分証明)。学生ビザにも必要
出生を証明する書類(戸籍謄本と英訳)本籍地の市区町村アテネオ(出生証明書、または外国で出された同等の書類)。地方の大学の受験の申し込み・入学手続き(アポスティーユ付き)
高校の成績証明書(英文)出身高校4大学とも。アテネオはGrade 9〜11(日本の中3〜高2)の成績。デ・ラサールは入学手続きでアポスティーユ付きの原本
高校の卒業証明書(英文)出身高校卒業後に出願する場合(フィリピン大学・デ・ラサールなど)。地方の大学の受験の申し込み・入学手続き(アポスティーユ付き)
推薦状高校の先生(担任・進路指導・教科の先生)アテネオ(2通)・デ・ラサール(1通)
エッセイ(作文)自分で書くアテネオ(750語まで。英語かフィリピン語)
英語の試験のスコア(IELTS・TOEFL)各試験の実施団体フィリピン大学(入試を受けずに出願する場合)
SAT・IBなどのスコア各試験の実施団体入試の代わりに使う場合
人物についての証明書(Certificate of Good Moral Character)出身高校デ・ラサール(入学手続き)
健康診断の結果病院デ・ラサール(入学手続き)・学生ビザ(学生ビザを日本で申請する場合はアポスティーユ付き。私立の病院の診断書は先に公証役場)
犯罪経歴証明書都道府県の警察学生ビザ(日本で申請する場合はアポスティーユ付き)
受験料―アテネオ 2,500ペソ(留学生)/UST 1,000ペソ(留学生がフィリピン国内の会場で入試を受ける場合)/フィリピン大学 UPCAT 50米ドル(フィリピンに住んでいない外国籍の人)
  • 英語以外で書かれた書類には、英訳を付けて出します(アテネオ)。
  • 海外の学校の出身者は、入学手続きでアポスティーユ付きの成績証明書の原本を出します(デ・ラサール)。
  • 成績証明書などの写しは、学校や国の機関で正式に認証されたものでないと受け付けられません(フィリピン大学)。

日本の書類にアポスティーユを付ける手順は、戸籍謄本・公立高校・私立高校で違います。書類ごとの手順は「フィリピンの大学の入試と出願書類」の記事で解説しています。

大学の種類ごとの違い

当社では、入試の難しさでフィリピンの大学をS・A・Bの3つのクラスに分けて案内しています。求められる学力と英語力、準備にかかる期間は、このクラスでおおむね決まります。

クラスどんな大学か
Sクラス入試がある難関大学。フィリピン大学・アテネオ・デ・ラサール・USTなど、大学ランキングの上位に入る大学
Aクラス入試はあるが、Sクラスほど難しくない大学
Bクラス入試なしで出願できるか、英語の面接など英語力の確認だけで出願できる大学

Sクラス:難関大学

アテネオ大学マニラ校

フィリピンの中でも特に名門とされるトップ大学です。英語・数学・科学などの科目の入試(主に英語で出題)があり、フィリピン人の受験生と同じ試験で競います。当社がすすめる英語力の目安はIELTS 6.0〜6.5ほどで、入試の対策も含めて1年以上の準備期間をみておきましょう。

Aクラス:入試はあるが難しすぎない大学

ミンダナオ大学

入試の科目は英語・数学・科学などSクラスと似ていますが、問題の難しさは下がります。英語の試験のスコアを求めるかは大学によって違いますが、数学や科学も英語で解くので、半年ほどの準備期間をみておきましょう。

Bクラス:入試なし・英語力の確認だけの大学

ファティマ大学

入試なしで出願できるか、入試があっても英語の面接など英語力の確認だけの大学です。日本人も挑戦しやすく、レベルが低いわけでもありません。当社がすすめる英語力の目安はIELTS 5.0〜5.5ほどで、英語の学習も含めて半年ほどの準備期間を計画しておくとよいでしょう。

大学のレベルは「フィリピンの大学ランキング」、地域や学部からの選び方は「フィリピンの大学の選び方」、入試の時期と出願から入学までの手順は「フィリピンの大学の入学までの流れ」の記事にまとめています。

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まとめ

  • 日本の高校を卒業(見込み)なら、フィリピン大学・アテネオ・デ・ラサールには公式の案内の上で出願できる。USTはスコアで出願する場合に「13年の基礎教育」を求めるので、出願の前にクリアランスで確かめる
  • 1年生として出願できるのは、大学の授業を受けたことがない人。日本で大学などに通ったことがある人は、編入などの別の枠になる
  • 学生ビザは18歳以上が対象。主要4大学の案内に年齢の上限は書かれていない
  • 英語力は、難関大学でIELTS 6.0〜6.5ほど、地方の大学で5.0〜5.5ほどが当社の目安。SATなどのスコアで入試に代えられる大学もある
  • 書類は英文で用意し、アポスティーユ付きを求める大学がある

フィリピンの大学の条件は、年度ごとに変わることがあります。出願する年の募集要項を大学の公式サイトで必ず確かめてください。大学ごとの条件の確認や書類の準備は、当社の大学進学サポートでもお手伝いしています。

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この記事を書いた人

フィリピン留学Hub代表。2013年からフィリピン・セブ島留学の支援を続けて13年。自身も2度のフィリピン留学を経験し、TOEIC900・IELTS6.5を取得。

語学学校70校以上を現地で視察し、年間1,000件以上の留学相談に対応。学校の良い点も弱点も、見てきたまま正直に書いています。