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今度フィリピンに行く予定だけど、治安は悪いんじゃないの?
フィリピンは日本から飛行機で4~5時間ほど、時差もたったの1時間と非常に行き来しやすい国。観光や留学で渡航する人が非常に増えていて、年間約70万人(2019年)もの日本人がフィリピンを訪れています。
そんなフィリピンですが、行ったことがない人にとって正直治安面で不安が残るでしょう。
この記事ではこんな疑問に全てデータを元に答えます。
僕は、これまでマニラを含めたフィリピン全土に50回以上訪問しています。また、バックパッカーとしててミンダナオ島からルソン島北部までを縦断したり、留学品がら様々な地域に滞在していました。そんな僕が、フィリピンの治安について徹底的にデータと実際に起きた事件を元に解説します。
2023年順位 | 国名 | GPIスコア |
---|---|---|
1 | アイスランド | 1.124 |
2 | デンマーク | 1.310 |
3 | アイルランド | 1.312 |
4 | ニュージーランド | 1.313 |
5 | オーストリア | 1.316 |
6 | シンガポール | 1.332 |
7 | ポルトガル | 1.333 |
8 | スロベニア | 1.334 |
9 | 日本 | 1.336 |
10 | スイス | 1.339 |
~ | ~ | ~ |
125 | フィリピン | 2.339 |
126 | アルジェリア | 2.345 |
127 | エジプト | 2.350 |
128 | アゼルバイジャン | 2.363 |
129 | エチオピア | 2.368 |
130 | エスワティニ | 2.370 |
131 | アメリカ合衆国 | 2.383 |
~ | ~ | ~ |
162 | シリア | 3.356 |
163 | アフガニスタン | 3.585 |
参考元データ:World Population Review
こちらのデータは、GPI( the Institute for Economics and Peace)という非営利機関が枚として出している世界の治安ランキングです。各国の指標がテロ行為や殺人件数などの指標から世界163カ国毎にスコアが算出され、安全度や危険度のランク付けがされたものです。
2023年のフィリピンの世界ランキングは163カ国中125位です。相対的に見るとフィリピンは治安が悪いことが分かります。ただ意外かもしれませんが、アメリカはそれよりも低い131位です。アメリカにも治安が良い地域・悪い地域があるように、フィリピンにも地域によって実際は治安レベルが大きく異なります。地域ごとの詳細は後述します。
順位 | 国名 | GPIスコア |
---|---|---|
1 | シンガポール | 1.332 |
2 | 日本 | 1.336 |
3 | ブータン | 1.481 |
4 | マレーシア | 1.471 |
5 | 台湾 | 1.506 |
6 | 韓国 | 1.540 |
7 | ベトナム | 1.531 |
8 | インドネシア | 1.531 |
9 | ラオス | 1.540 |
10 | モンゴル | 1.462 |
11 | カンボジア | 1.494 |
12 | タイ | 1.506 |
13 | ミャンマー | 1.540 |
14 | フィリピン | 2.339 |
15 | 中国 | 1.506 |
16 | バングラデシュ | 1.540 |
17 | インド | 1.531 |
18 | パキスタン | 1.540 |
19 | 北朝鮮 | 1.540 |
20 | アフガニスタン | 3.585 |
参考までに、アジア内で2023年のフィリピンの治安ランキングは20カ国中14位です。タイやベトナムなどに行ったことがある人は多いと思うので、自分が行ったことがある国の治安ランキングと比較してみると少しイメージできると思います。
引用元:外務省
上は外務省の地域ごとの治安レベルを示したマップです。南部(ミンダナオ島)はレベル2~3が多い一方で、その他の地域はほぼレベル1です。ほとんどの東南アジアの全域がレベル1~3となっているため、レベル1の場合に関しては十分注意していれば渡航可能な範囲だと言えます。
そのため、治安レベルを見てもわかる通り、まずは南部のミンダナオ島を避ければ渡航可能だと理解できます。
順位 | 国・地域名 | 人数(2018年) |
---|---|---|
1 | アメリカ合衆国(米国)(注) | 3,493,313 |
2 | 大韓民国(韓国) | 2,948,527 |
3 | 中華人民共和国(中国) | 2,689,662 |
4 | 台湾 | 1,969,151 |
5 | タイ | 1,655,996 |
6 | 香港 | 852,192 |
7 | シンガポール | 829,676 |
8 | ベトナム | 826,674 |
9 | フィリピン | 631,821 |
10 | ドイツ | 613,248 |
また、「日本人が多く訪問している国・地域」のトップ10入りをしている国だってご存じでしたか? 今や観光だけでなく、英語留学先としても欧米に勝る勢いで認知度を高めている結果だと言えます。
この事実も突き合せた上で、フィリピンの治安レベル1の地域の中でのどのような犯罪タイプがあるのか、そしてどのように対策すればいいのかを知ることから始めましょう。犯罪タイプや対策については後述します。
犯罪のタイプや対策を知る前に、そもそもフィリピンは相対的になぜ治安が悪いのかを書いておきます。
東南アジアのみならず、ヨーロッパでもスリやひったくりといった軽犯罪は多発しますが、フィリピンはそれ以外にも、以下のような問題を抱えていることが理由として挙げられます。
民間人による犯罪だけではなく、公職の立場である警察や空港職員による汚職がはびこったため、度々外国人渡航者にも被害が及んでいました。
しかし、ドゥテルテ政権の始まった2016年以降、この事態を重く見た大統領は、公約通りフィリピン国家警察の腐敗を徹底して叩きました。現に9,172人の警官を処刑を含め処罰しています。
またドゥテルテ大統領の麻薬撲滅作戦も有名です。麻薬所持者・使用者・密輸に関連する市民・役人を徹底的に洗出し、処罰していくというものです。処罰の方法としても超法規的な措置(射殺など)が取られたことも問題となりましたが、その成果があったのか麻薬だけではなくその他の犯罪も年々減少傾向にあります。
因みに、どれだけドゥテルテ大統領が汚職や麻薬撲滅に努めたのかというと・・
- 重罪犯罪に加担した疑惑で捜査を受けている国家警察の警官102人を大統領府に呼び付け、「犯罪行為を続けるのなら、殺害する」と威嚇
- 汚れた警官の処罰では「正当な手続き」の主張や人権上の配慮は無視させるとも主張。「このばか者どもが死んだとしても、人権や正当な手続きを叫びながら我々のもとに来ないでくれと警告しておく」とも述べた。
- 102人の中には手錠を掛けられた者もいた。大統領府外で立たされていた彼らに対し、ドゥテルテ氏は会見を切り上げる際、「そこにとどまって飢えろ」とも言い放っていたという。
引用元:CNN
- 検察局は超法規的な殺害の犠牲者はフィリピン政府の数字より多く、16年7月~19年3月に1万2千人から3万人に上るとしている。
- 「わたしは一度も否定したことはない。ICCは以下を記録してよい。わが国を破壊する者、わが国の若者を破壊する者を、わたしは殺す。わたしはこの国を愛している」と述べた。
引用元:ロイター
これまでの大統領と比べても悪人に対する措置が過剰過ぎたため、人権団体から度々非難されることがありましたが、大統領の任期を終えるまで国民の支持率が80~90%という驚異の数字をたたき出しています。
引用元:Statista
2019年~2021年にフィリピン全土で起こった犯罪発生推移のグラフです。以下、フィリピンの観光や留学で巻き込まれる可能性の犯罪タイプに絞って、発生件数の推移を見てみると、どの犯罪タイプも減少傾向にあることが分かります。
犯罪タイプ(件数) | 2019年 | 2020年 | 2021年 |
窃盗 | 23,097 | 11,593 | 11,492 |
強姦 | 9,915 | 7,963 | 7,963 |
傷害 | 12,663 | 7,342 | 5,148 |
殺人 | 6,139 | 5,848 | 4,845 |
強盗 | 9,967 | 5,114 | 4,937 |
ドゥテルテ政権での強硬政策が功を奏したことやコロナ禍による外出制限などが減少要因として考えられます。実際に、在フィリピン日本大使館のデータを見ても、2021年のフィリピン全土の犯罪件数は前年比で4割以上減少しています。
但し、2022年4月時点ではコロナの感染状況が改善し、フィリピン政府の外出制限などの規制緩和により、再び犯罪件数は増加してきている傾向が見えるため、油断は禁物です。
観光や留学で海外を訪れる際の重犯罪の発生率を、なぜか「多くの日本人が無条件で安心してしまう欧米5カ国」と「治安イメージが悪いフィリピン」を実際のデータで比較してみます。
重犯罪と言われる殺人・強盗・強姦の比較です。海外慣れしていない人ほど、意外だったんじゃないでしょうか? きちんとデータで見ると、それぞれの国で「実際にどれほど危険なのか」がはっきりわかります。
あれ!?実際は、欧米の方が犯罪多い??
そうだね。イメージではなくリアルな世界では重犯罪トップ3のうち、「強盗・強姦」に関しては、欧米の方がフィリピンよりダントツで高いだよ。カナダ・アメリカに留学してたタツは、このグラフに違和感ある?
いや、グラフの通りだと思います。カナダのバーで友達と飲んでた時、お客さん同士のケンカが始まって、いきなり銃で撃ち合いが始まったり(経験2回)。若者はみんな大麻吸ってるし、、、自分も当初欧米は安全だって思ってたので、全然イメージと違いましたね(笑)
えーーーーーー、そうなの?イメージとリアルってホント違うんだー(汗)
行ったことがないと、「欧米は安全、フィリピンは危険」って思い込んでる人が多いですが、欧米へ留学経験のあるタツ(大学生)のように、住んだことがあればこのグラフの意味が分かります。
余談ですが、アメリカは毎日2000人の誘拐報告が上がっていて、スーパーなど至る所の掲示板に情報提供の張り紙が貼りだされています。子どもの誘拐に至っては、年間36万人以上の事案が発生しています。
犯罪タイプ別の発生率を比べてみると、フィリピンは「殺人」発生率が高いことが分かります。これがフィリピンの治安が悪い一番の理由です。
人口10万人当たりの殺人発生件数は6.4人とダントツでフィリピンが1位となりました。また、2004年~2010年までにフィリピンで殺された日本人は36人なので、年間平均5人ということになります。
海外で、日本人が殺害されると必ず日本国内で報道されます。フィリピンで1年に平均5回もそのようなニュースを見れば、誰だって「フィリピンは治安が悪い」というイメージを持ちます。
ですが、「どんな日本人が殺されたのか?」というその先を考える人はあまりいません。ここがフィリピンの治安を冷静に判断するにあたって重要な所です。
実は殺人の被害に遭う日本人にはある共通点があります。
そして、それ以外の理由で被害にあることは殆ど当てはまらないという興味深いことが分かっています。他の国で日本人が被害に巻き込まれるケースでは、割とアクシデント的に殺されてしまう事も多い一方で、フィリピンで日本人が殺害される場合、ターゲットとなる人が明確に決まっているパターンが多いのです。
この事実を理解し、共通点と関係のない生活をしていれば神経質になりすぎる必要もないという事が分かると思います。参考までに実際に日本人が被害に遭った事例を紹介します。
TBSニュースが「事件続報:フィリピン・セブ島の日本人社長殺害、夫が首謀か」と報じた。報道の内容によると、ハマダジュンコさん殺害事件の容疑者とみられるフィリピン人女性とフィリピン人男性が現地警察に逮捕された。逮捕されたフィリピン女性がハマダジュンコさんの日本人夫との交際があり、この事件の首謀者は夫だと話しているという。
引用:TBSニュース
女性関係ですね。
警察によると、2人はイタニ・マサルさん(59)とアライ・ヨシヒロさん(24)が銃撃後、バラバラにされて海に捨てられていた。保険金が掛けられていたとの情報があり警察が調べている。
引用:日経速報ニュース
保険金関係ですね。
【マニラ共同】フィリピンの首都マニラを仕事で訪れていた愛知県稲沢市の会社社長、水野成規さん(48)が射殺された事件で、実行犯の2人組は財布などを強奪せず、銃撃後そのまま逃走していたことが22日、警察への取材で分かった。 警察は実行犯が殺害目的で、当初から水野さんを狙っていた可能性があるとみて調べている。
引用:毎日新聞
こちらは闇組織絡みの犯行です。
フィリピンの首都マニラの住宅で、この家に住む72歳の日本人男性が同居するフィリピン人のめいとともに体を複数回刺されて死亡しているのが見つかり、警察は、めいの交際相手を殺人などの疑いで逮捕しました。
引用元:NHK
これまで説明してわかったと思います。確かにフィリピンで日本人が殺害されている数は他国と比べて多いものの、その殆どの事例が無作為に殺されているものではありません。
そのため普通に自らトラブルを起こしに行かない限り、殺害されるリスクは低いはずです。そうでなければ、年間60万人以上の日本人がフィリピンに渡航し、「日本人が多く訪問している国・地域」でトップ9になるわけがありませんよね。
フィリピンが治安が悪いと言われていますが、実際には地域ごとに違います。
ここからは、地域ごとに「治安の悪い地域」と「治安の良い地域」ごとに分けて解説します。SNSなどでは主観的な発信や利害関係のあるポジショントークも多いため、それらの発言に惑わされず、実際のデータに基づいて判断してみてください。
実際は犯罪が多発していて、日本人が被害に遭っているような場所でも「安全だよ!」という発信者も多く見かけるから注意しよう。
以下は、世界中の都市や国々の生活情報を記録する世界最大のデータベース(NUMBEO)から取得したもので、その中の犯罪指数データを抜き出して地域ごとに比較したものです。多くの人が行ったことがあったり、知っているような他国も入れているので、フィリピンの地域ごと(黄色マーカー箇所)に治安レベルがイメージしやすいと思います。
「犯罪レベル」が高い方が治安が悪いという意味です。
地域 | 犯罪レベル |
フィジー | 95.83 |
マニラ | 73.75 |
クアラルンプール(マレーシア) | 67.41 |
セブ | 54.81 |
ジャカルタ(インドネシア) | 53.52 |
ホーチミン(ベトナム) | 53.11 |
クラーク | 50.12 |
バコロド | 49.78 |
バリ島(インドネシア) | 48.37 |
スービック | 47.22 |
バンコク(タイ) | 41.13 |
バギオ | 34.00 |
ハノイ(ベトナム) | 32.15 |
ダバオ | 26.65 |
シンガポール | 26.01 |
東京 | 21.03 |
タガイタイ | 8.33 |
参考元データ:Numbeo-「2019/12/15~2022/12/15までの3年間のデータ」
上記の犯罪レベルが50を上回っているところを「治安の悪い地域・場所」として分類して紹介します。
観光客や留学生でも巻き込まれる可能性のあるマニラの強盗・窃盗・傷害などの犯罪発生率は、東京の3倍ほど高いです。また、犯罪に巻き込まれる可能性のある時間帯は、日中よりも夜間が高くなる傾向にあるため一人歩きは極力避けた方がいいです。
但し、マニラは17の市町で成り立っており、東京都よりも大きな首都圏の事を指します。そのため、マニラの中でも地域や場所ごとに治安レベルは大きく変わります。場所によってはフィリピンの治安が良い地域よりも治安が良いデータもあります。
マニラ内の地域ごとの治安やよく起こる犯罪タイプとその対策方法についてはこちらの記事を参考にして下さい。
参考:【2023年最新】フィリピン・マニラ治安は悪化?最悪にならないための対処法
日本人で観光や留学で訪れるセブの中心地は、セブ市・マンダウエ市・ラプラプ市の3つです。セブ島内の犯罪の多くはこの3つで起こることが多いため、実際に日本人が巻き込まれた犯罪例や対策方法を見てぜひ予防しておきましょう。セブ島に行くための空港があるマクタン島の治安もそこまで良くはないのが正直な感想です。
セブ島内の地域ごとの治安やよく起こる犯罪タイプとその対策方法についてはこちらの記事を参考にして下さい。
参考:【2023年最新】フィリピン・セブ島の治安を実際の犯罪例を元に解説!
クラークは、アンヘレス市やマバラカット市など複数の行政区にまたがって作られている経済特区の事を指します。そのため、クラークの中と外では全く治安レベルが変わってきます。ただ、観光客が多く訪れるのは、クラークの中よりも外のアンヘレス周辺です。
そしてクラークの外のアンヘレス市の治安レベルは、セブと殆ど変わりません。犯罪タイプごとに確認してもセブとあまり変わりません。ただ、歓楽街の多い街になるため、美人局(つつもたせ)などセブ島ではやや珍しいタイプの犯罪タイプも発生しやすくなる場所です。以下の記事を参考にしながらしっかりと対策をしておきましょう。
参考:【2023年最新】フィリピン・クラークの治安をスリ被害に遭ったぼくが徹底解説
「犯罪レベル」が50を下回っているところを「治安の良い地域・場所」として分類しています。
観光地と言える場所はそんなに多くないため、わざわざバコロドに観光で行く人は少なく、留学目的で行く人ぐらいです。
地方都市になるため、物価が安く田舎が好きな人なら住みやすい都市だと言えますが、発砲事件が多発していることから、くれぐれも巻き込まれない様に注意する必要があります。バコロドの治安や具体的な犯罪タイプについてはしっかりと知っておきましょう。
参考:【2023年最新】フィリピン・クラークの治安をスリ被害に遭ったぼくが徹底解説
スービックは、スービック市とスービック経済特区(Subic Bay Freeport Zone)の2つがありますが、一般的にはスービック経済特区の事を指します。元々米海軍基地があったところが経済特区として生まれ変わった場所です。
大統領直轄のスービック湾都市開発庁が治安の安定化に最も力を入れている場所の1つで、「ビジネスにもレジャーにも安全で平和な目的地である」と宣言しています。事実、滞在中に軽微な犯罪にもあったことがなく、また交通ルールもきちんと守られているフィリピンでは珍しい場所です。スービックの詳しい治安情報は以下の記事を参考にしてください。
マニラから陸路で4~6時間ほどの場所の標高1500メートルのところにバギオという街があります。年間20度ほどの気候になるため、やや肌寒く薄手の長袖を着て生活するのが当たり前というフィリピンのイメージとは真逆の世界です。
留学生がセブに次いで多い地域で、毎年発表されている「殺人・傷害・強姦・強盗・窃盗」のどの犯罪タイプもフィリピン国内で圧倒的に発生件数が低いです。他の地域では、タイのバンコクやベトナムのハノイの治安レベルと殆ど変わりません。但し、バギオの中でもスリなどの軽犯罪に巻き込まれやすい場所もあります。以下の記事で詳細に解説しているので参考にしてください。
参考:【2023最新】フィリピン・バギオの治安を犯罪例を元に解説!
日本人の移住先として最も人気のある地域の一つがダバオです。元々日本人とは深く繋がりのある街で、安倍元総理もダバオに訪れるなど日本とダバオの親交も続いています。
また、東京都殆ど変わらないレベルの治安が良く、日中や夜間の一人歩き時の安心度は東京よりもダバオの方が高いというデータもあるほどです。リゾートが近くに沢山あり、物価もセブと比べるとかなり安いため、のんびりと本格的なリゾートを楽しみたい人にとって最適な場所です。
この地は、ドゥテルテ元大統領が市長時代に剛腕をふるって治安を改善した代表的な街で、今も一族によってその意思が引き継がれ治安が担保された街となっています。治安が最悪だったダバオが東南アジアで最も平和な都市と言われるまでになったその軌跡や気を付けた方がいい犯罪タイプなどを以下の記事でまとめてるので参考にしてください。
参考:【フィリピン2023年】ダバオの治安を実際に滞在した僕が解説
マニラから陸路で1時間半程度と近くにあるタガイタイは、標高700メートルの場所にあるためマニラの様に極端に暑いと感じることが少ない地域です。
タガイタイは、ブランディングされた街の一つでフィリピン人もここにいつか住みたいという程治安が良い場所です。ナイトクラブや歓楽街などは条例上禁止されているため、ナイトライフが欠かせない人にはあまりお勧めできませんが、その分治安が非常に安定しています
参考:【フィリピン2023】ぼくが見てきたタガイタイの治安!
ここからは、これまでフィリピンに50回以上渡航している僕が、フィリピンで起こりやすい代表的な犯罪タイプの事例と対策方法をまとめておきます。これからフィリピンに渡航する人は絶対に知っておいてください。
街歩きでは高価なアクセサリーは控えましょう。ガードマンがいる屋内ならまだしも、治安の悪い地域での街歩きはネックレス・ブレスレット・ピアスなどが奪われる可能性があるからです。
ピアスに至っては耳ごと引きちぎられたケースもあるため注意してください。僕の知人は、パサイバスターミナル(マニラ)付近を歩いてるときに、近寄ってきた集団にネックレスを強奪されました。幸い、フィリピン人の彼氏がその連中を蹴り倒して奪い返したので事なきを得ましたが、その後追ってきたので走って逃げたということです。
万が一、凶器を突きつけられて「持ち物全て出せ」と言われたら、素直に全て出しましょう。また、道端でバッグをひったくられそうになったら、ひったくられましょう。重要なのは「絶対に逆らわない」ということです。
例えば、引ったくりにバッグごと奪われそうになったとき、抵抗しようとする人がいますが、相手が武器を持ってる可能性があるためこれは極めて危険です。
スマホなど、これだけは取られたくないというものもあるはずですが、それでも交渉はしないでください。そもそも、平気で強盗ができる人に道徳心はありません。躊躇なく撃ってくる可能性があります。
たまに引ったくりに遭いそうになった日本人が、「抵抗して奪わせなかった」と自慢げに語っていることもありますが、これは単に運が良かっただけで、真に受けてはいけません。 基本的に、相手は金目のものが欲しいだけで、命まで奪って罪を負いたくありません。そのため、抵抗さえしなければ怖い目にあった人でもたいてい無傷で帰って来ることの方が多いという事を覚えておきましょう。
フィリピンで圧倒的に多いのがスリです。これはフィリピンに限った話ではなく、ヨーロッパでも非常に多発するタイプです。特に治安の良い国に住んでいる日本人は危機感が少なく、被害に遭いやすいので気を付けて下さい。
僕はフィリピンでストリートチルドレンのスリ被害に遭いました。ホテルを出た直後に路上の子どもたちに物乞いされ、前の子に気を取られてる間に、後ろの子らからポケットの中から見事に全額スラれていました。漫画でその時の犯罪を再現してみました。
フィリピで良く起こるパターンは、バイクが近づいてきてバッグをひったくる手口です。特に夜間は一目が付きにくいため、夜道の一人歩きは警戒してください。
僕がセブ滞在中、日本人の知り合いが夜間に大通り沿いの歩道を歩いていた時に事件は起きました。バイク2人乗りの男らにバッグを強奪され、倒れたままバイクで引きずられました。しかも、その人は同じ場所で3度も同じ手口の被害に遭っています。
これは特にマニラで多発しています。特に流しのタクシーを捕まえるとかなりの確率でボッタクリに逢います。そうしたタクシーはメーターを使わないため、ドライバーの言い値になってしまいます。
僕は、買い物が終わって滞在先にに戻る際、どのタクシーに聞いてもメーターを使わないと言われました。どのタクシーも相場の3倍ぐらい吹っかけてくるので、ボッタクリ金額ができるだけ少ないタクシーを探していたほどです。
見知らぬ人に外で声を掛けられて仲良くなり、一緒に食事をしていて起こるパターンです。睡眠強盗は、自分の飲み物に睡眠薬が入れられていて、起きたら貴重品が全てなくなっています。また、トランプ詐欺は、賭け事に誘われて乗ってしまうと、最初は勝てて調子がいいが、最終的に大負けして大損することが決まっている詐欺に遭います。
僕がダバオに留学していた時、同じ日本人の留学生が帰国時にマニラ空港で睡眠強盗に遭ってしまいました。ちょうど彼はこれから世界一周をする予定でしたが、空港で声を掛けられた人と仲良くなって一緒に飲んでいたら、なぜかそのまま強烈な睡魔に襲われて寝てしまったという事です。起きたらパスポートを含めて貴重品全てがなくなっており、余りのショックでその後予定していた世界一周は諦めたようです。
トランプ詐欺では、オーストラリア人詐欺師の話が有名です。その詐欺師はフィリピンで盗難に遭ってしまい、お金もほとんどなく可哀そうな顔でホテル代や航空券代を貸してほしいと演じてきます。そして親切心で助けてあげようとすると、後ほどそれが詐欺だったという事が判明し、全額返ってこないという結果になります。日本人も同様の手口の被害に遭っていて、留学先の各語学学校でも注意喚起されていたほどです。
対策はいたってシンプル。出先で見知らぬ人に声を掛けられて誘われたとしても、絶対に信用しないことです。道や何かを聞かれることに対して答えても、「一緒に何かをしよう」というのはあまりにも気が早すぎます。
僕も同じように何かを誘われた経験がありますが、全て断るため50回以上フィリピンに行っていても未だにこの被害には1度も巻き込まれたことがありません。また、冒険心の強い男性がこの被害に遭いやすいです。
歓楽街の多い街で多く発生しています。若い女性が突如声を掛けてきて、低額でホテルに行かないかと唐突に誘ってくるパターンです。美人局ではないことが大半ですが、その中に美人局が潜んでいるリスクがあります。
美人局だった場合、ホテルに入った直後や出た瞬間に悪徳警察(または偽警察)が出てきて、「この子は未成年だから重罪だ!捕まりたくなければ多額の賄賂をよこせ」という事態に発生します。この手口にはまると結構厄介です。なぜなら、フィリピンでは未成年との性行為は重罪だからです。
日本人の芸人長井秀和さんもこの美人局の被害に遭っています。基本的に男性しか被害に遭いようがないですが、そうしたお誘いは慎むようにしましょう。
対策は簡単です。誘惑に勝ってください(笑)僕も歩いていたらたまに声を掛けられますが、全て丁重にお断りします。
フィリピン全土で強姦の発生件数は多く、特に夜間の女性の単独行動はリスクが上がると認識しましょう。
例えば、マバラカット市では、2021年10月に少女(10代)が強姦の後に殺害されたとする報告が上がっています。更に治安の良いとされるバギオ市内でも日本人留学生で強姦の被害に遭った遭った人がいます。
単独行動を避ける事、又は一人で夜出歩かないことが最大の対策となります。それでも外出することはある場合は、外出元から目的地までタクシーでドア・トゥ・ドアで移動するようにしましょう。
あまり聞くタイプの犯罪ではありませんが、お酒が絡んだ場所で外国人同士でたまに発生しています。温厚なフィリピン人から被害を受けるという事は稀です。
体格のいい韓国人の留学生がクラブでダンスしていた時、背丈の小さなフィリピン人男性とぶつかったのを機にそのフィリピン人を殴ったのがキッカケで発展した事件があります。その騒動で駆けたマッチョなセキュリティーが、その韓国人を取り押さえ、馬乗りでボコボコにしました。その後、裁判にまで発展しましたが、当然異国の地で外国人が勝訴することは中々ありません。
フィリピンには、多くのナイトクラブがあります。但し、どれだけイライラすることがあったとしてもくれぐれも揉め事を起こさないようにしましょう。
揉め事で酒の勢いで手を出してしまう人もいますが、そこはフィリピン。仮に裁判沙汰になったとしたらフィリピン人相手に勝ち目はありません。また、実際に発生した上の事件のように、基本的には自国民を守ることが優先されます。
こちらから手出ししなければ問題にならないことの方が多いため、酒に酔って手を出すことは間違っても避けてください。黙ってその場を立ち去るのが一番の防衛策になるはずです。
フィリピンで起こる代表的な犯罪タイプについて解説してきましたが、ここでは渡航目的や女性や子連れなどその人に合った正しい治安対策についてまとめます。
まずは行く地域を確認(地域ごとの治安)し、その土地で起こりやすい犯罪タイプを知る事です。そしてそれぞれの犯罪対する対策方法を知っておきましょう。上記で説明した犯罪タイプぐらいの対策方法ぐらいは知っておきましょう。
強姦犯罪は日本でも起こりますが、フィリピンは日本の6倍ほどの発生件数があります。外国人の場合、いきなり襲われるというよりも一緒に仲良くなった男性に気を許してしまい、意識がない所で被害に遭っているというケースが見受けられるため注意してください。
実際に2014年に、日本人留学生の女性2人が出先で仲良くなった韓国人グループと一緒に飲み、その後意識をなくした後にモーテルに連れていかれて強姦されたという事件がセブ島で起こっています。
海外ではナンパで声を掛けられる機会も非常に多くあります。外国に行って羽目を外し過ぎないよう注意してください。
子連れの渡航で気にしたいのは、特に以下2つです。
子どもを連れていると子どもの面倒を見ないといけないため、どうしても隙が生まれます。実際に子どもの世話をしている時や子どもを前抱きしている時に、後ろに掛けていたバッグから貴重品をスラれるケースがよく起こっています。どんなに子どもに気を取られたとしても、バッグは前にからっておくこと、そしてその日使う必要のない金銭やクレジットカードなどは外出時に持ち出さない方が良いです。
万が一、クレジットカードなどを盗まれてしまった場合、クレジットカード会社にすぐに連絡できるようにしておいてください。また、できれば携行品保険にも加入しておきましょう。
フィリピンの小学校では、保護者の送迎がない限り子どもは学校にいけないというルールがあります。要は、それだけ誘拐のリスクがあるという意味です。これはフィリピンに限った話ではなく、中国やアメリカでも当たり前に起こっています。特にアメリカでは、2020年に全米犯罪情報センターに登録された子ども(0~18歳)の行方不明事案は36万5348件(FBI調べ)とのことです。
日本では中々想像できないですよね。幸い、フィリピンで日本人の子どもが誘拐されたという事件は聞いたことがありませんが、それでも子どもに一人で外出させるという事は危険です。
引用元:Statista 2022
こちらはフィリピンで起こった誘拐の年間誘拐の発生件数の推移ですが、年間30~40件ほど起こっていることが分かります。
対策としては、子どもを外で一人にしないこと、また子どもの名前をわかる所に記載しないことです。日本だと名札やゼッケンに名前を付けたりしますが、海外で名前が他人に分かる状態だと、誘拐犯が子どもを預けているところにその名前の子の親戚だと言って建物内に入ってくる可能性もあるからです。
留学先の語学学校内であれば、門番にセキュリティが24時間配置されていて、CCTVが設置されているなど、校内であれば基本的に安全なはずです。ですが、一歩外を出ればそこから先は学校に戻るまで自分の身は自分で守る必要があります。
できるだけ外を一人で歩かず、学校から目的地まではタクシーで移動すること。スリ対策でその日必要以上の金銭を持ち歩かないなど、上で説明した犯罪毎の対策をしっかりとしておいてください。また、学校では安全対策のために入校時にオリエンテーションを行っています。地域ごとに治安レベルが異なるため、各学校によって案内の内容は違います。そちらもあわせてしっかりと確認しておきましょう。
フィリピンのコロナ感染状況が気になる方も多いと思うので、以下の毎日更新される感染者数の推移を参考にしてください。また、在フィリピン日本国大使館からも「新型コロナウイルス感染症情報」として情報のアップデートがあるので、こちらも参考にしてください。
これからフィリピンへ初めて渡航する人にとって、治安が悪いという漠然といたイメージから不安に駆られるのも当然だと思います。
現に、僕が2013年に初めて渡航する時も実際に行く場所の治安を調べずに、マニラの殺人事件などの記事を読み漁ってしまい、「もう帰国することはないかもしれない・・」と思ったことがある程です。
ですが、実際にはフィリピンは地域ごとに治安が異なり、よく起こる犯罪タイプもだいたいわかっています。するとその前知識と対策方法を知っていればいいだけなので、それだけで被害に遭う確率をグンと下げることができます。
現に、フィリピンに行き始めた当初はいろんなタイプの犯罪に巻き込まれた経験がある僕は、毎年7~9回ほど渡航していても、ここ数年どの被害にも遭ったことがありません。例えるなら、敵を知れば怖いもの知らずという感じでしょうか(笑)
犯罪に巻き込まれていた時は、単に僕が無知だったという事が原因だと言えます。そのため、1人でも当時の僕のような被害に遭わないよう、できるだけ詳しく犯罪のパターンやシチュエーションをこちらの記事で解説しました。
因みに、僕はフィリピンの国家警察と警察車両で夜間パトロールを、様々な現場を見てきました。その時にフィリピンの犯罪動向についても一緒にパトロールをした警官にインタビューしたことがあり、やはり言えるのは犯罪対策のために事前知識を持っておくことが非常に重要だという事です。
フィリピンはセブ島をはじめ、観光や留学で年間約70万人もの日本人が訪れる場所です。
そのため、セブ島は特に安全と安易に信じてしまう人がいます。僕も実際にそうでしたが、無知であればあるほど被害に遭いやすくなるため、しっかりとこちらの記事を読みなおして対策をしておきましょう。