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フィリピンのダバオに行くんだけど、治安ってどう?
マニラ空港から1時間半ほどの距離にあるダバオ市は、フィリピンで3番目に大きい都市です。ミンダナオ島の中でも最も大きい経済圏を持ち、日本人が移住していた場所としても有名です。そんなダバオですが、
こんなことが気になる人も多いはず。
フィリピンには50回以上の渡航歴、またダバオには長期間滞在していたこともある僕が、ダバオの治安について徹底的に解説してみたいと思います。
フィリピンのミンダナオ島にあるメトロマニラ、メトロセブに次ぐフィリピン第3位の大きな都市です。
国内外に流通するバナナやパイナップル、コーヒーやココナッツはダバオにある巨大プランテーションから生みだされています。また、フィリピン最高峰アポ山や国鳥でもあるフィリピン・イーグル、サマール島のキレイなビーチリゾートなどの魅力のある地域です。
日本からダバオ行きの直行便はないため、マニラ空港かセブ空港から乗り継いで行けます。因みにダバオ空港は小さな空港なので迷う事はまずありません。
ダバオの年間平均気温は27度ほどで、最高気温が32.9度です。ダバオは4月~11月ぐらいまでスコールが発生しやすい場所で、降水量が多くなります。ただ、マニラやセブと比較すると降水量は少ない方です。
また、フィリピンは6~11月に台風が来やすい地域になりますが、ダバオの太平洋側は山脈でおおわれているため、台風の影響が少ないという利点があります。比較的年間を通して気温が一定しており、また降水量も他の地域と比べて極端に大きいわけではありません。ただ、観光に最も適した季節は乾季の12~3月頃がおススメです。
ダバオ市には、SMやアヤラモールなどの大型のショッピングモール施設、総合病院、ショッピングセンター、カフェ、バーなどが多く揃っています。そのため、日常生活で困ることは殆どありません。
市民の足でもあるジプニーは約20円で乗れますし、タクシーも安心して乗ることができる地域です。
意外かもしれませんが、ダバオ市が発展したのは、20世紀頭に日本人によるマニラ朝栽培の農園経営でした。当時は2万人もの日本人が移り住む東南アジア最大の日本人街で、現在でも多くの日本人が移住先として定住していたりします。
そもそも、ダバオは太平洋から山脈で囲まれているため、フィリピンで度々問題になる台風の被害を受けにくい場所です。また、雨季には他の地域ほどの雨量が降らず、気温を含め年間の気温もあまり変わりません。
こうした背景から農業生産地として早い時期から目を付け、日本人が移り住んだと言われています。第二次世界大戦中は、敵国となってしまい不遇な扱いを受けたこともありますが、今は安倍元総理も訪れるなどとても親日な街となっています。因みに、ミンダナオ国際大学は読み方もそのまま日本語読みされるほど、日本文化が受け継がれる拠点となっており、日本人だという事が分かると地元の人はフレンドリーに接してくれる傾向があります。
上の写真は僕がダバオに留学していた時のものですが、みんなとても優しかったのを覚えています。
ダバオは、目の前にリゾートの島々が沢山あります。その中でもタリギッド島にあるイスラレッタビーチは、何もありませんが本当に透き通るようなきれいなビーチが広がっています。何度行っても周りキレイないほどのビーチがそこら中に沢山あるイメージです。セブ島だと3時間以上離れないとそうした島々がないのを考えると、ビーチへのアクセスも非常に良い場所です。
ダバオ | 東京 | |
犯罪指数 | 27.55 | 24.69 |
安全尺度 | 72.45 | 75.31 |
ダバオ | 東京 | |
犯罪レベル | 26.59 | 21.79 |
物が盗まれるリスク | 33.24 | 21.37 |
強盗や盗難のリスク | 30.86 | 21.49 |
傷害のリスク | 28.40 | 24.01 |
窃盗のリスク | 33.34 | 24.23 |
ダバオ | 東京 | |
日中の一人歩きの安心度 | 82.04 | 79.65 |
夜間の一人歩きの安心度 | 74.56 | 74.34 |
作成元データ:NUMBEO-「2021年ダバオVS東京」
どの地域でも犯罪は起きています。そのため、まずは最も身近な東京と犯罪指数や犯罪に巻き込まれるリスクを比較してみます。
東京と比較しても、そこまで遜色ないことが分かります。さすが「東南アジアで最も平和な都市」と称されるだけあって、きちんとデータとしても出ていますね。
ダバオ | セブ | |
犯罪指数 | 27.55 | 51.87 |
安全尺度 | 72.45 | 48.13 |
ダバオ | セブ | |
犯罪レベル | 26.59 | 54.81 |
物が盗まれるリスク | 33.24 | 53.13 |
強盗や盗難のリスク | 30.86 | 54.66 |
傷害のリスク | 28.40 | 49.59 |
窃盗のリスク | 33.34 | 57.86 |
ダバオ | セブ | |
日中の一人歩きの安心度 | 82.04 | 65.45 |
夜間の一人歩きの安心度 | 74.56 | 42.31 |
作成元データ:NUMBEO-「2021年ダバオVSセブ」
では、次に観光地として最も有名なセブと比較してみるとどうでしょうか? セブ島に観光や留学で行く日本人は多いですが、セブと比べると更に治安の良さが強調されます。
犯罪タイプの中でも強いて言えば、「窃盗のリスク」ですね。そのため、ダバオに行く際は特にこの部分に特に気を付けていればいいという事が分かります。
実際に僕はダバオに留学したことがありますが、その時に思ったのが殆ど物乞いを見なかったという事です。セブに行った時は、物乞いがどこに行ってもいたため、この違いには驚かされました。同じフィリピンでもここまで違うのを実感した瞬間でした。
また、空港を出てすぐに思うのが、ダバオは他の地域と比べて道路にあまりゴミが落ちていない印象を受けました。
フィリピンに初めて来たら別にきれいだとは思いませんが、フィリピン全土をいろいろ回ってる僕には他と街の外観が比較できるのでダバオはきれいなのが分かります。
参考:【2023年最新】フィリピン・セブ島の治安を実際の犯罪例を元に解説!
参考:【2023年最新】フィリピン・マニラ治安は悪化?最悪にならないための対処法
写真引用元:Newsweek
ダバオがフィリピンの他の地域と比べてここまで治安が良い理由は、ロドリゴ・ドゥテルテ元大統領のダバオ市長時代の功績です。
1988年、ダバオ市の検察官を務めていたドゥテルテがダバオ市長に当選後、未成年の夜間外出禁止や街頭でのアルコール飲酒禁止にしたり、自らが警察車両を率いて大型バイクにまたがってパトロールをするなど、防犯対策を徹底的に行ってきました。
その結果、フィリピンの殺人都市とまで揶揄されていたダバオ市は、タクシーのボッタクリや乗車拒否などの違反を撲滅し、他の犯罪の発生率すらも劇的に減らすことに成功しました。その結果、「東南アジアで最も平和な都市」と呼ばれるほどにまで治安が回復し、経済も大きく発展することができたという背景があります。
事実、2019年の治安レベルを示すデータでは、東南アジアで1位とはいかなくとも2位にランクインしています。また、日本の外務省が公表している危険レベルでも、危険が少ない「レベル1」となっています。
僕がダバオで聞いた面白い話があります。
マニラで生活していた中華系フィリピン人女性が誘拐された時の話です。彼女は、解放する代わりに多額の身代金を要求されていました。ですが、彼女は「資産を預けている銀行の本店に行かないとそれだけの金額を下ろすことができない。だからダバオ市に行かなければならない。」と犯人に嘘をつき、犯人を一緒に連れてダバオに行くことになりました。
事前にダバオ警察に連絡をしていたため、ダバオ市に到着した瞬間、犯人は警察によって射殺されたという事です。ダバオ領内に入れば、悪は絶対に許さないというオーラが凄く出ていますね。実際に、死刑に値しないような犯罪でも、ダバオでは犯人はなぜか殺されてしまうという超法的な措置も取られていたようで、それも犯罪への抑止力と繋がっていたのではないでしょうか。
マニラやセブでは乗客の方がタクシーの数よりも多いので、ドライバーが乗客がいても乗せないことが普通にあったりします。そのため、手を上げても気まぐれで止まってくれなかったり、止まってくれても行き先を伝えると、「そんなところには行かないよ」と平気で言われたりします。
ですが、ダバオではそのような経験を1度もしたことがありません。
それどころか、僕がホテルから出てタクシーを拾おうとした時、ちょうど目の前を通り過ぎたタクシーがいて、「あ〜あ、行っちゃった」と思った瞬間、わざわざバックして戻ってきてくれたぐらいです。遠くから身振りで「乗る?」みたいなことを言って確認してくれました。
また、マニラやセブではお釣りをごまかす、またマニラではボッタクも平気で行われます。ですが、ダバオではお釣りもごまかさずにきちんと返して来る人の方が多いし、少なからず僕はボッタクられたことがないです。
ダバオがいかにフィリピンの中でも治安が格別に良いのかが理解してもらえたと思いますが、日本でも犯罪は起こるようにもちろんダバオでも起こります。
ここでは、ダバオ市で実際に起きた犯罪に的を絞ってその対策方法について解説します。
フィリピンで圧倒的に圧倒的に多いのがスリです。日本人観光客や留学生から多く報告が上がっているタイプの犯罪です。
僕はフィリピンでストリートチルドレンのスリ被害に何度か遭ったことがあります。その時は、現金をポケットに入れていて、子どもたちに物乞いされ、気を取られてる間に全額ポケットからスラれたというものです。以下の漫画はその時を再現したものです。
ダバオは治安が良いからと高をくくって歩かないことが最大の対策です。他の地域では特に多くの被害が上がっています。
ダバオではありませんが、僕のお客さんの留学生の友人(別の留学生)が、大通り夜間歩いていた時、バイク2人乗りの男に貴重品の入ったバッグを強奪されました。
しかも、全く同じ被害に3度遭うという不運の持ち主で、最後はバッグを離さなかったためバイクに引きずられて両腕にひどい怪我を負ってしまいました。
どんな治安が良いと言われているような場所であっても、夜間のリスクは高まります。そのため、できるだけ移動はドアトゥドアを意識してください。「外出元から外出先までタクシーで行く、そして帰りも同じ」これが鉄則です。
また、万が一ひったくられそうになった場合、敢えてひったくられてください。なぜなら、むやみに抵抗してしまうと相手が凶器を持っていたら、反撃されてしまう可能性があるからです。
実際に2022年9月に、オートバイ2人組の男が歩行中の女性の行く手を阻んで、スマホと財布の入ったバッグを強奪するという事件が発生しました。女性が通報してから警察が犯人を見つけましたが、犯人は銃を持っていたため打ち合いに発展しています。このように相手は凶器を持っている可能性があるため、むやみに抵抗するのは危険です。
もし、ダバオで事件に巻き込まれたり緊急事態が発生した場合は、以下の連絡先があることを知っておいてください。
・ダバオ市、ブトゥアン市、サンボアンガ市 911
・カガヤン・デ・オロ市 160
・マティ市 166
・Davao Doctors Hospital 082-222-8000
・San Pedro Hospital 082-222-6100
・Davao Medical School Foundation Hospital 082-227-9330
在ダバオ日本国総領事館(Consulate-General of Japan in Davao)
電 話 :(+63-82)221-3100
FAX:(+63-82)221-2176
住 所 :4th Floor, B.I. Zone Building, J.P. Laurel Ave, Bajada,Davao City 8000
観光中や留学先なら滞在先ホテルや学校の電話番号等の連絡先は事前に確認しておきましょう。
また、留学中なら語学学校のスタッフや友人の他、手配してもらった留学エージェントも緊急時には連絡できると思います。これらは、クラークの出発前にできればすぐに取り出せるよう、以下の様にメモとして連絡先を残しておいた方がいいです。
関係 | 連絡先 |
語学学校 | ※電話番号のほか、LINE等 |
学校スタッフ | ※電話番号のほか、LINE等 |
留学エージェント | ※電話番号のほか、LINE等 |
友人A | ※LINEなど |
友人B | ※LINEなど |
フィリピンに3ヶ月未満の渡航する際は「たびレジの登録」の登録をしていきましょう。たびレジは、渡航先での安全情報をリアルタイムで収集できます。
主に以下の案内が日本語で入ります。
参考:たびレジ
在留届は、海外にいる日本人の状況を把握し、日本人が巻き込まれる可能性のある緊急事態やその他の事件・事故が発生した時に、外務省(大使館・領事館)から安否確認や支援ができるようにするためのものです。
3ヶ月未満は「たびレジ」の登録でいいですが、3ヶ月以上の渡航予定の方は「在留届」を登録しておくようにしてください。また、在留届の登録タイミングは以下の通り外務省から案内されています。
在留届は旅券法第16条によって、外国に住所又は居所を定めて3ヶ月以上滞在する日本人に、その住所や居所を管轄する日本の大使館又は総領事館への提出を義務づけているものです。提出は現地に到着して住所等が決まった後で提出するようにしてください。
引用元:外務省オンライン在留届
参考:外務省オンライン在留届
実際にダバオに長期間滞在したこともある僕が、ダバオの治安について解説してみました。
ミンダナオ島という地理的リスクが大きい場所にありながら、ダバオはドゥテルテ元大統領の功績でいまだに治安が良い場所だという事が分かって頂けたと思います。
東京と比べても殆ど変わらない数字が出ていたことには僕も驚きましたが、実際に滞在中やその後のダバオ訪問でも何の犯罪にも巻き込まれたことがないことから、その数値もうなずけます。
ただ、海外であることに違いはないため、フィリピンで起こりやすい犯罪タイプについて理解を深め、それぞれの対策方法についても熟知しておくことをお勧めします。