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フィリピン渡航時になんといっても気になるのが治安ですよね。
治安と言っても色んな心配事があります。テロという大規模なもの、殺人などの重犯罪からスリや詐欺といった軽犯罪まで様々です。
ここでは、まず見ておきたいフィリピンの中の「テロ活動」について説明します。
テロ活動の中でも、まだ記憶に新しい最近のものについて説明します。
でも、どのようなリスクがどの程度あるのかをきちんと知れば行動しやすくなることが大半です。ただ、不安がっていないでまずは正しい知識を身につけましょう。
これがワールドホテル銃撃事件について外務省から発表されているものです。
フィリピン警察当局は,犯行態様などから,本件事件に関してはテロとの関連を否定していますが,いずれにせよ,マニラをはじめとしてフィリピンに渡航・滞在される方は,以上の状況を考慮し,以下の事項に十分ご留意ください。
(1)現場付近には近寄らず,最新の関連情報の入手に努め,注意・警戒を怠らない。
(2)テロ・誘拐等の標的となりやすい場所(※)を訪れる際には,周囲の状況に注意を払い,不審な人物や状況を察知したら速やかにその場を離れる等,安全確保に十分注意を払う。
(※)リゾート施設,各種イベント会場,観光施設,レストラン,ホテル,ショッピングモール,スーパーマーケット等人が多く集まる施設,教会・モスク等宗教関係施設,公共交通機関,政府関連施設(特に軍,警察,治安関係施設)等外務省 http://www.anzen.mofa.go.jp/sp/info/pcspotinfo_2017C119.html
シンさん、これ見るとマニラに行くだけでテロに巻き込まれそうな気がするんですが、実際どうなんですか?
フィリピン行ったことない人が行く前にこんな注意喚起見たら、かなり覚悟が必要なんだな~って思っちゃうよね。もしぼくもフィリピン行ったことなければこれだけで結構ビビっちゃうだろうね~。でも、これはビビる必要はないよ。詳しく解説するね。
写真はカジノ・リゾート・ワールド・ホテルの様子(2020年6月に撮影)。マニラ第3ターミナルから直結してるホテルで、ターミナル内からこうやって見えます。建物がかなり焼失した様子がわかりますね。
この事件では、武装した犯人が突如ホテルに乱入。合計で36名の命が奪われました。このようなニュースを聞くと、テロが起こったと騒ぐ人も多いでしょう。
更に、ISが「これはISに忠誠を誓うメンバーの犯行だ」と声明をだしたことで、一部の国ではこれがテロだと報道されています。
ISは、残虐な事件なら何でも勝手に「われわれ(IS)の行動だ!」と言い張って世界中にメンバーがいるということをアピールします。ですが、これはハッタリである可能性の方が高いです。
フィリピン当局もこれはテロではないとしています。
なるほど、日本ではテロと報道されてた気がします。。でも、早とちりだったわけですね。
事実、犯人はギャンブルに入り浸りで多額の借金をし、このカジノに出入り禁止を食らってしまった。妻子もちの犯人が自暴自棄になった挙げ句の犯行で、最後に自殺したというのがことの真相だよ。
また、銃を持って入りましたが、監視カメラに映った映像を見ると人々に向けて乱射していません。入ると同時に威嚇して従業員や客を追い出し、その後で警備員との打ち合いになっています。
なので、この事件で亡くなった方の大半の死因は煙によるものです。
犯人が直接手を加えたというよりも、緊急時に作動するはずだったスプリンクラーや排煙装置がうまく動かなかったことの方が直接的な死因です。
全く日本では報道されてませんが、その後事件は意外な方向へ向かいます。
フィリピン当局が、グループホテルの営業停止。
え!?なんですかそのオチ。そんなの聞いたことありませんよ!
残念だけど、日本のメディアは不安を仰ぐだけあおって、事件の真相や結末を報道してないよね。事件が起こった時だけしか報道していないからあくまでも憶測(テロかもしれないよ~、怖いよ~)だけを話して、その後の結論を伝えてない(笑)
そ、そうだったんですね。僕の親も未だにあれはテロだって信じてますよ、きっと(笑)
外務省が言うように、事件現場付近には近寄らないというのは大事ですが、断片の情報だけを掴んでしまって行動を左右されるほうが、ある意味怖いことです。
あの時渡航できたのに、しなかった。要はチャンスをものに出来なかったということも起こりかねません。だから、きちんと情報を最後まで知ることが大事です。
「近年,ラマダン期間やその前後に多くのテロ事件が発生しており,今年のラマダン(5月27日~6月24日頃)開始後も世界各地で多数のテロ事件等が発生しています。また,ラマダン後半(6月24日頃まで)やラマダン明けの祭の期間(6月27日頃まで)を含む当面の間,及びイスラム教徒の集団礼拝の日である金曜日等にも注意が必要です。」http://www.anzen.mofa.go.jp/sp/info/pcspotinfo_2017C144.html(外務省ー海外安全ホームページ)
これは確かに言えてます。
フィリピンに限らずモスクがある所やキリスト教徒の集まりがあるところ、または人が集まりやすいところは狙われやすいし、もっとも狙われやすい時期になるからです。
なので、観光でも留学でもこの時期にそのような人が集まるようなところに出かけるのはできるだけ抑えたほうがいいかもしれません。
ただ、正直こればかりは誰も予想できないことなので、こうした心がけぐらいしかできないと思います。これはフィリピンに限ったことではありません。
アメリカ大陸や欧米の方が、これまでの傾向を見てると発生率が高いです。
でも、シンさん。マニラでも最近爆発テロがあったってたまたまネットのニュースで見たんですが、どうなんですか?
マニラのキアポという商業地区で2件の爆発があったよね。
小包の中に仕掛けられたもので、ターゲットが明確だったため受取人と配達員が死亡しました。受取人はテロ組織とは異なる宗派のイスラム教徒だったことから、派閥による衝突ではないかという見方です。
この事件を見ると、一般人をターゲットにしたものではなく特定の人を狙ったものなのでそこまで神経質になる必要はないです。
これまでの犯行例からすると、イスラム・キリスト教徒の集会や人の多く集まる所に積極的に行かない、行くとすれば完全に自己責任だということを認識しておくべきです。
でも、観光や留学中に完全にホテルや寮に引きこもりになってる人って殆どいないような気がします。もう、完全に運任せってことでしょうか?
はは、確かに。これだと完全に神頼み!になっちゃうよね。でも、こういう対策もあるよ。
観光も留学も田舎を選んでみるってことです。
だって、そもそもテロが起こっているのは大半が都会なので。
最後に、一番話題に上がったミンダナオ島でのISのテロ活動についてお話します。
これに関しては、フィリピンに渡航する予定がない人でも知ってるぐらいニュースになりましたよね。このときのイメージは、「フィリピンはとにかく危ない!」というものだったと思います。
ぼくもこのことでたくさん聞かれました。だから、空爆がまだやまない最中、フィリピンのあちこちを回って現状を確認しに行きました。
シンさん、確かにテロが起こってすぐフィリピン行っちゃいましたよね。。で、実際どうだったんですか?
結論から言うと、治安がどうのこうのというレベルではなく、ミンダナオ島の中は武力衝突が起こっているので(一部を除き)渡航は控えるべきです。
ただ、他のエリアはどうなのかというと、
テロが起こる前と雰囲気は何も変わっていません。
なので、ミンダナオ島と他のエリアとは切り離して考えたほうが冷静な判断ができます。
とはいっても、警官や軍人の増員配置など警戒態勢はかなり増えてるよ。
シンさん、あの時ミンダナオ島にも行ってましたよね!てか、よく行きましたね。。。どうだったんですか?
あー、ミンダナオと言っても外務省が発表してる治安レベルもセブと同じような安全なところ「ダバオ」に行ったんだよ。状況はいたって普通。ぼくはここに以前留学してたことがあるから、好きな街の一つなんだ。でも、ホテルに泊まったときにチェックインの前にキャリーバックの中身全部見せろといわれたのには参ったね(笑)めんどくせーーーーって
南部ミンダナオ島でイスラム過激派の掃討作戦が続くフィリピンの議会は22日、同島を対象に今年5月に発令されていた戒厳令を今年12月31日まで延長するドゥテルテ大統領の提案を賛成多数で承認した。(CNN)
最近は、ミンダナオの武力衝突の報道って日本では全くなくなりましたよね。
でも、戒厳令が2020年の年末にまで延長されたように、まだテロ組織対軍の衝突はつづいています。
日本での報道では、「ミンダナオで空爆が起こり、大惨事になっている」というようなものばかりでした。でもその後の報道って殆どされてませんよね?
あー、確かにもうぜんぜん聞きませんね。「フィリピンで300人がテロで亡くなりました。」とかって報道で聞いたのが最後だったような気がします。
それ聞いてどう思った?
まぁ、普通にやばいことが起きてるんだなって感覚です。だって300人死んでるんですよ!300人。。
数だけでいうとなんかすごいことになってるよね。で、何がやばいかって言うと、一般市民がすごく犠牲になったような気がするからじゃないかな~。2020年7月23日現在で、既に600人弱が亡くなってるんだよ。でも、ちょっとその内訳を見ると、違って見えるんだよ。
テロ組織メンバー:427人
フィリピン軍 :99人
一般民 :45人
これを見ると最初の報道のイメージとだいぶ変わったと思います。もちろん市民の犠牲者も出ていますが、90%以上の犠牲者が戦闘に関わった人です。
日本の報道では、このような内訳の説明はなく、全部で300人死亡したとかそういう伝え方なので、あたかも一般市民が300人近くも死んでしまったかの印象を受けてしまいます。
なるほど、確かにイメージ全然違いますね。っていうか、良い方向に向かってきてるって考えて良いんじゃないですか?
だね。軍のダメージも大きいけど、マラウィ市をテロ組織に占拠されて以降、予断は許されないけど確実にその方向に向かっているといえるよね。
ちなみに、国会で戒厳令を2020年の年末まで延期することが国会で決定したのは、2020年現在でまだ数十名のテロメンバーがいるとされてるからです。
現在は掃討作戦を実施中。
では、ここから冷静に他のエリアに飛び火する可能性を見てみましょう。
現在は、ミンダナオ島の一部のエリアでこれだけ大規模な武力衝突がおき、90%のテロメンバーが消されました。
このようにマラウィ市の占拠もままならない状況下です。現在、他のエリアを襲撃する余力がどこにあるでしょうか?
また、ミンダナオ島からセブやマニラを襲撃しに来る可能性を考えると、海を渡ってくる必要があります。
この衝突が起きて以降、陸内の警備強化が図られたことはもちろんですが、海上ではフィリピン、マレーシア、インドネシアが共同で警備に当たっている状況です。
ミンダナオから外に展開していく可能性はゼロではありませんが、メンバーが圧倒的に減ったことや警備が尋常じゃないくらい増えたことから他の島まで押し入るというのはかなり無理がある状況だと考えるのが妥当です。
確かに、そんな状況じゃ普通攻め入ることはほぼ不可能ですね。なるほどー、ちゃんと分析すればフィリピンに行くとしてもある程度のリスクが見えてくるんですね。
但し、今後どのような動きが出てくるのかは誰にも想像できないので、あくまでも「いまは」というところでお話しています。
ここからは憶測も含まれるのでそのつもりで聞いてください。
ぼくは現地の知人や友人がいるので常に新しい情報を日本にいながらでも得ています。中には政治関係者もいます。
え、シンさん知り合いに政治関係者もいるんですか?初耳でした。。
ま、まあたまたまだけどね。なので裏情報とかもたまに入る。。(笑)
強硬派で知られるデュテルテ新大統領が「麻薬撲滅作戦(麻薬戦争)」を実施していることはご存知だと思います。
不正が嫌いな(フィリピンでは稀に見る)大統領は、麻薬だけではなく、警察を含めた公人・役人の排除にも手をつけています。
途上国というのはフィリピンに限らずとにかくいろいろなものが賄賂で成立っていたりします。なので、国からの給与とは別にそうした臨時収入(賄賂)を当てに贅沢をしている公人も多いのです。
だから、政治家など内部の人たちからもデュテルテ大統領はものすごく嫌われています。
日本人は報道を見て、「とんでもない大統領が就任してしまった。この国は大丈夫なのだろうか」と安視している人が圧倒的です。
だけど、フィリピン国内では大統領の支持率90%超えです。
日本では考えられられないっすね!
汚職に手を染めている政治家がデュテルテ大統領のことを嫌いだという理由はわかってもらえたと思います。だから、大統領を失墜させるためにあらゆることに手を回しています。
へー。でも、なんで嫌いだからってそこまでする必要があるんですか?
それは、今の大統領の支持率が高いままだと、自分たちが排除するのは時間の問題になるからだよ。
あ!なるほど、そういうことか。
政治家は金にものを言わせて世論をコントロールしようとします。
結果、フィリピンでメジャーなメディア数社を買収し、大統領の信用を失墜させるようなネタやスキャンダルを日々報道させています。
例えば、大統領のスピーチの中の言葉の一部を切り取って何度もニュースに流すなどです。
あー、それたまに日本のメディアもやりますよね。
そうだね。ストーリーの中でなければ絶対に誤解を生んでしまうような言葉を抽出して、あたかも大統領が性格だといううように印象操作するんだよ。それを、日本のメディアが引用して報道すれば、日本の中でのフィリピン大統領のイメージもよくなくなるよね?
あーーーーーー、それが日本だとフィリピンの大統領の印象がよくないのに、フィリピン国内だと支持率90%越えということの答えなんですね!
だけど、フィリピン国民でそのようなメディアに騙される人は多くないため、賢い人はそうしたメディアを排除してみるようになりました。
政治が腐敗していることや政治化がこのようなことをするということを国民も見抜いているということです。なので、彼の支持率がいまだ90%もあるんです。
デュテルテ大統領ほど、フィリピンの中で悪党に狙われてる人物はいません。
市長を務めあげたダバオ市では、フィリピンで一番平和な街と言われるまでになりました。国民からは、「いつかこの人が大統領になってほしい」と臨まれるようになったんです。
デュテルテ氏は「自分には国を動かすまでの力はない」と当初出馬要請を蹴っていました。
実は、出馬すれば外部の組織や身内の政治家から狙われて殺されてしまう可能性が高いというのも理由としてあります。
でも、出馬要請の数年後、いよいよデュテルテ氏は腹をくくります。
本当に死ぬ気で腐敗したフィリピンを良くしようと立ち上がりました。なので、彼は本当に自分の命と引き換えにこの作戦を実施しています。
このような政治家が日本にいるでしょうか?本当に尊敬に値する人物であって、歴史に名を刻む人物なんです。
デュテルテ氏が動けば、闇の組織も動きます。
今、マラウィ市(ミンダナオ島内)で起こっている武力衝突には、裏があるとも言われています。
それは、その「きっかけを作った人物・組織があるのではないか」ということです。
テロ事件が起こる直前、ある政治がマラウィ市を視察していたということがわかりました。世の中の事件って意外とぼくたちには見えない世界が広がってるもんなんです。
う~ん、シンさんの憶測が気になります。。
はは。。ちょっと路線がはずれそうなのでこの辺でやめとこう。
大統領が年末まで戒厳令を延長していることや、様々な思惑が交差する中でそう簡単に終結できるとは思いません。
政治家の中には、戒厳令は人権を無視するものだとして、撤回を要求している人たちさえいるという始末です。普通に考えたらこの緊急時にそういう発言は考えられませんが、何か裏があるということかもしれません。
いずれにせよ、こうした状況を鑑みると小規模なテロ活動は今後も続くのではないかとぼくは推測しています。
なんども言いますが、実際にフィリピンがどのような状況に置かれていているのかをちゃんと見ることが大事です。
断片的な報道だけを見てても事実とは異なることが多いので、そこから得られる行動事態が無駄だったりすることがあります。
だから、このサイトではフィリピンのありのままの姿を紹介し、どのような対応策があるのかを紹介しています。
・SAM-R(ウィキ)
https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=981619
・ラマダン明けの26日、首都圏警察マニラ市本部はキアポ地区などに警官500人配置(マニラ新聞)
http://www.manila-shimbun.com/category/society/news230984.html
・https://www.aol.com/article/news/2017/05/30/isis-militants-plotted-to-burn-city-to-the-ground-to-show-power/22117176/ (写真)