0120-504-216
営業時間:平日9時〜18時
海外旅行傷害保険の記事を執筆するにあたり、主だったフィリピン留学の関連サイトを読み直しました。だいたいどのサイトでも書いてある内容はほぼ一緒でした。
どれもその通りですが、これからフィリピン留学されるあなたが海外旅行傷害保険をどうするか検討できるように、多くのサイトが触れていない【重要】な情報を解説いたします。
フィリピンの医療費は思いのほか高額です。
盲腸の手術で80万円、デング熱で入院して60万円、などの例もあります。多くのフィリピン留学関連サイトが書いていることは、
・クレジットカード付帯保険は、治療費補償100万円以下が多く、十分ではない
・任意加入の旅行保険なら、治療費補償は最低でも1,000万円あるので十分
・海外旅行傷害保険はキャッシュレス診療に対応しているか確認しましょう
このような内容ですが、大事なポイントが抜けています。
キャッシュレス診療が可能な病院は、マニラとセブにしかありません!!
「セブ・ドクターズ・ホスピタル」等の存在を「前提」に書いている記事が散見されますが、セブ島以外にフィリピン留学する人の存在は無視でしょうか?
主な損害保険会社のホームページで、キャッシュレス対応病院を調べてみた結果です。
これしかないのが実情です。クラークを留学先にするならJi傷害火災という選択肢がありますが、バギオやバコロド、イロイロでは対応可能な病院がそもそもありません。
では実際に、フィリピン留学中に病気やケガになって、キャッシュレス対応病院が近くになかったら?
旅行者なら医療費をどうにか立て替え払いした後、帰国後に保険会社に請求します。
もちろんフィリピン留学先となる語学学校の多くは、病院側と交渉はしてくれるはずです。その際に「保険証券」が必要なのです。
先に「盲腸の手術で80万円」という一例を出しましたが、同じ盲腸でも20万円で済んだ人もいれば、100万円払った人もいます。
なんで???と思われるかもしれませんが、日本のような「診療報酬点数制度」が無い国では、医師側や病院側が医療の値段を決められるのです。
公立病院であれば法外な値段になりませんが、フィリピンの公立病院は医療レベルも衛生レベルも低いので、裕福な人や外国人はみな私立病院に行きます。
その私立病院とは、「医師」「薬局」「検査技師」がそれぞれ独立しており、病院は有償で彼らに場所を提供しているビジネスパートナーです。雇用主ではありません。
善良な医師であれば法外な医術料をフッかけてきたりはしませんが、患者が日本人だと知れば、フィリピン人患者よりも高額の「見積もり」をすることも可能なのです。
これが重要ポイントですが支払い能力が無い患者を、医師は拒否できるのです。
「保険証券」を提示することによって「保険で払えますよ」と医師に示せるわけですね。多くの学校が海外旅行傷害保険への加入を留学生に義務づけているのは、このようなフィリピンの医療事情があるからです。
ではクレジットカード付帯の海外旅行傷害保険だったらどうなるでしょう?
仮にあなたの持っているクレジットカードの保険が「治療費補償50万円」だとします。
でも、保険証券は?
「50万円までは保険で大丈夫です」と、どうやって医師に示しますか?
さらに深刻な事態としては、医師があなたの病状(或いは怪我の状態)を見て「50万円では不足だな」と判断したら、必要な措置もされないまま、あなたは放置されてしまう可能性もあるのです。
「いざとなったら、家族に海外送金してもらえるから」
このような“甘い”見通しで、保険に加入しないままフィリピン留学した人もなかにはいます。あなた自身が急病で息も絶え絶えだったら、誰が家族からの送金を受け取るのでしょう?
ウエスタンユニオンでもSBIレミットでも、現地で受け取れるのは本人だけです。
フィリピン留学では任意保険加入が必須であることを、ご理解いただけたでしょうか。
「3ケ月以内のフィリピン留学なら、クレジットカード付帯の保険で十分」と書いているサイトもありますが、どの程度の病状を念頭にそう断言できるのか、甚だ疑問です。
「クレジットカードに付帯の保険では補償額が足りない」と先に書きましたが、付帯保険自体は役に立ちます。何より無料ですからね。
あとはそこに、不足しそうな部分だけを任意保険でプラスすればいいのです。
まずはご自身のクレジットカードに付帯されている保険の適用条件の確認です。実は2種類あるので注意が必要です。
利用付帯が条件になっているクレジットカードが多いので、航空券か最寄り空港までの交通手段を必ずカード払いして、支払い期日や金額をメモして財布に入れておいてください。
キャッシュレス対応可能となっていた病院に、私が実際にお世話になったときの話をご参考までに。
診療に先だって、ヘルプデスク的な部門に要連絡なので国際電話したら「その航空券をカードで購入されたのは何月何日ですか?」と聞かれて困ってしまいました。
高い国際電話ですし、こちらは少しでも早く、医師に診てもらいたいのに。そのための「メモ」があれば、と実感した次第です。
ちなみに結果としてなぜかキャッシュレスにはしてもらえず、そのカードで一旦支払い、帰国後に診療明細等を提出して保険金がおりました。2万円程度だったので事なきを得ましたが、数十万円したらカード利用枠が不足だったかも?
「治療費」「携行品損害」「保険期間」について確認します。
保険期間は90日が多いですが、短い場合もあるので、あなたの留学期間をカバーできるか要確認です。
携行品補償は20万円くらいあれば普通は足ります。スマホやデジカメ、タブレットなど持参予定の品を考えます。足りなければ追加を検討します。(現金は補償されません)
あとは治療費です。フィリピンの医療費が高いとはいえ、一般的に500万円あれば十分だとされていますので、不足分をオーダーメイドで任意加入します。
まず「旅行保険」と「留学保険」があります。
「留学保険」は訴訟社会のアメリカ留学を想定しているので、フィリピン留学での必要以上の補償になるため高額です。
アメリカは医療費が高いだけでなく、アパートに住むため火災や水漏れなど多種のトラブル訴訟が想定されているからです。フィリピン留学であっても「留学保険」ではなく「旅行保険」で十分です。
次に、パッケージ商品ではない「オーダーメイド」で加入できる保険会社を探します。
空港に置かれた端末で簡単に加入できるようなパッケージ商品には「賠償責任」「救援者の駆けつけ費用」「死亡・後遺症」「手荷物遅延等費用」などの補償も含まれるため、当然高くなります。
また保険期間90日以内の商品がほとんどです。
オーダーメイドで加入するには、店舗に赴く必要があります。フィリピン留学のためと限定するならば「治療費」と「携行品損害」で事足りると考えるのが一般的です。
ちなみにキャッシュレス対応可能病院に関して「リストになし」とした損保ジャパン日本興亜ですが、フリープラン設計で必要な補償だけを選べます。