フィリピンの大学の選び方|地域・学部・国公立と私立・ランキングの見方

「フィリピンの大学に進学したい。でも、大学が多すぎて、どこをどう選べばいいのか分からない」

フィリピンには2,000校を超える大学があります。日本のような全国共通の試験も偏差値もないので、自分に合う大学を探すのはひと苦労です。

この記事では、フィリピンの大学を選ぶときに見る6つの視点(学部・入試と英語力・地域・国公立と私立・留学生の受け入れ・学費)と、地域ごとの代表的な大学、ランキングの見方、日本人が失敗しやすい選び方をまとめました。

出願できる条件は「フィリピンの大学の入学条件」、入学までの時期と手順は「入学までの流れ」で解説しています。

フィリピンの大学への正規留学の全体像は「フィリピン大学留学ガイド」で解説しています。

この記事の確認記録
執筆:田中慎一(代表・現地視察70校以上)/確認:フィリピン留学Hub編集部
最終確認:2026年9月24日
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フィリピンの大学を選ぶ6つの視点

フィリピンの大学は、次の6つの視点で比べます。すべてを満たす大学が見つからないときは、上から順に優先するのがおすすめです。学びたい学部がなければ、ほかの条件がそろっていても進学する意味が薄れるからです。

視点確かめること
①学部学びたい学部・専攻があるか。国が優良と認めた学部か
②入試と英語力入試の科目は英語だけか、数学や科学もあるか。自分の英語力で届くか
③地域治安・気候・物価。4年間暮らせる街か
④国公立か私立か学費・入試の難しさ・施設・留学生の数の違い
⑤留学生の受け入れ英語で授業をする決まりがあるか。外国人の学生がいるか
⑥学費学費と生活費を合わせて、4年間払い続けられるか

大学の順位(ランキング)は、6つの視点で候補をしぼったあとに「その大学の位置」を確かめる物差しとして使います。順位の見方は、この記事の後半で説明します。

視点①:学びたい学部から選ぶ

まず、将来の進路から学びたい学部を決め、その学部がある大学を探します。フィリピンの大学は、国内の上位の大学ほど学部の数が多く、文系・理系を問わず幅広く学べます。反対に、規模の小さい大学は学部が少なく、看護・観光・ITなど仕事に直結する学部にしぼっていることがよくあります。

学部の強さを比べるときは、フィリピンの高等教育委員会(CHED)が学部ごとに与えている認定を目安にします。特に優れた学部は「COE(Center of Excellence)」、それに次ぐ学部は「COD(Center of Development)」に選ばれています。たとえば経営学を学びたいなら、経営学部がCOEかCODに選ばれている大学から探すと、候補をしぼりやすくなります。

フィリピンの大学で学べる学部と、学部ごとの就職先は「フィリピン大学の学部一覧」にまとめています。

視点②:入試の難しさと英語力から選ぶ

フィリピンには日本の大学入学共通テストのような全国共通の試験がなく、大学ごとに試験を受けます。大きく分けると、マニラの難関大学と地方の私立大学で、入試の中身も時期もまったく違います。

マニラの難関大学・フィリピン大学の系列地方の私立大学
入試の中身数学・科学・英語など、フィリピン人の受験生と同じ科目英語力を測る試験が中心(筆記と面接)
入学の時期年1回(例年8〜9月ごろ)年2回のところが多い(8月ごろ・1〜2月ごろ)
入試の時期入学の1年ほど前入学の1か月ほど前
当社が勧める英語力の目安IELTS 6.0〜6.5ほどIELTS 5.0〜5.5ほど

日本人にとって現実的なのは、英語力の試験で合否が決まる地方の私立大学や、マニラの中堅の私立大学です。英語の試験だけといっても、入学すれば授業を英語で聞き、英語で課題を出し、英語で論文を書きます。入試に受かる英語力と、授業についていける英語力は別物だと考えてください。

入試の内容と出願書類は「フィリピンの大学の入試制度と出願書類」、学歴や年齢など出願できる条件は「フィリピンの大学の入学条件」で解説しています。入学前の英語の準備と入試対策は、フィリピンの大学進学対策のページでご案内しています。

視点③:地域から選ぶ(代表的な大学と学費の目安)

正規留学では、4年間同じ街で暮らします。大学のレベルだけでなく、治安・気候・物価まで含めて、暮らせる街かどうかで選びましょう。当サイトでは、日本人が暮らしやすく、留学生を受け入れている大学がある次の地域を中心に紹介しています。

地域大学の特徴暮らし
マニラ大学の数がいちばん多く、国内上位の大学が集まる。留学生の国籍もさまざま物価は高め。暑い。遊ぶ場所が多い
バギオ英語の試験だけで入れる私立大学が多い物価は安い。涼しくエアコンが要らない。治安がよい
セブサンカルロス大学など上位の大学がある。マニラより入りやすい傾向物価はやや高め。暑い。遊ぶ場所が多い
ダバオ名門大学が複数ある学園都市物価は安い。やや暑い。治安がよい
クラーク100位以内の大学は2校質の高い住まいが多い。国際空港が近い
イロイロ・バコロド国立のフィリピン大学ビサヤ校などがある物価は安い。とても暑い。遊ぶ場所が少なく勉強に集中できる

地域ごとに、当サイトで紹介している代表的な大学を並べました。大学名から、学部・学費・入学時期をまとめた紹介ページに移れます。

表の見方:国内順位はEduRankの2026年版、偏差値は日本の大学と比べたときの当サイトの目安、学費は2021年時点の目安(1年)です。フィリピンの大学に偏差値はありません。学費は大学・学部・年度によって変わるので、出願の前に必ず最新を確かめてください。

マニラ:国内上位の大学が集まる

マニラの街並み
▲ マニラの街並み

マニラ(メトロマニラ)はフィリピンの首都で、大学の数がいちばん多い地域です。国内トップ10のうち7校がマニラ首都圏にあります。トップクラスの大学を目指すならマニラが中心になりますが、上位の大学は入試が難しく、入試も入学の1年ほど前に行われます。

大学名国内順位偏差値の目安学費の目安
フィリピン大学ディリマン校1位63約16万円〜
デ・ラサール大学2位58約50万円〜
アテネオ・デ・マニラ大学3位58約30万円〜
サント・トーマス大学4位56約20万円〜
フィリピン大学マニラ校6位63約16万円〜
マプア大学7位52約40万円〜
セントロ・エスコラール大学81位52約15万円〜
ホセ・リサール大学93位48約16万円〜

バギオ:涼しく治安がよい学園都市

バギオの風景
▲ バギオの風景

バギオは、ルソン島北部の標高1,500mほどにある山の上の街です。一年を通して涼しく、治安のよさでも知られています。北ルソンの学園都市で、英語の試験だけで入学できる私立大学が複数あるので、日本人が挑戦しやすい地域です。

大学名国内順位偏差値の目安学費の目安
フィリピン大学バギオ校29位63約16万円〜
ベンゲット州立大学36位45約3万円〜
セントルイス大学83位51約12万円〜
バギオ大学90位40約10万円〜
コーディリエラ大学99位40約10万円〜

ベンゲット州立大学は、バギオの隣町ラ・トリニダッドにあります。

セブ・ドゥマゲテ:セブの上位校と、静かな大学町

セブの風景
▲ セブの風景

セブには、国内8位のサンカルロス大学をはじめ、留学生を受け入れている大学があります。マニラより応募する学生が少ないぶん、同じくらいのレベルの大学でも入りやすい傾向があります。目指すなら、サンカルロス大学やサウスウェスタン大学など上位の大学がおすすめです。ネグロス島のドゥマゲテには、国内10位のシリマン大学があり、町全体が大学町のような落ち着いた雰囲気です。

大学名国内順位偏差値の目安学費の目安
サンカルロス大学8位53約15万円〜
シリマン大学(ドゥマゲテ)10位52約15万円
セブ・ノーマル大学41位43約3万円
サンホセ・レコレトス大学42位43約13万円
サウスウェスタン大学68位44約18万円
セブ大学100位43約9万円〜

ダバオ:治安がよく、名門大学が複数ある

ダバオの街並み
▲ ダバオの街並み

ダバオは、ミンダナオ島の南部にある都市です。国内でも治安がよい地域として知られ、周辺の優秀な学生が集まる学園都市でもあります。

大学名国内順位偏差値の目安学費の目安
アテネオ大学ダバオ校17位53約15万円〜
ミンダナオ大学25位48約15万円〜
フィリピン大学ミンダナオ校48位63約16万円〜
サウスイースタン・フィリピン大学52位53約4万5,000円〜

クラーク(アンヘレス):空港に近く、住まいの質が高い

クラークの街並み
▲ クラークの街並み

クラークは、マニラの北にある都市で、国際空港があります。大学のほとんどは、隣のアンヘレス市にあります。外国人向けのコンドミニアムが多く、日本人でも違和感なく暮らせる住まいを見つけやすい地域です。

大学名国内順位偏差値の目安学費の目安
アンヘレス大学33位48約13万円〜
ホーリーエンジェル大学89位43約25万円〜

イロイロ・バコロド:落ち着いて勉強に集中できる

バコロドの大聖堂
▲ バコロドの大聖堂

パナイ島のイロイロと、ネグロス島北部のバコロドは、どちらもフィリピン中部の地方都市です。治安がよく、遊ぶ場所が少ないので、勉強に集中したい人に向いています。

大学名国内順位偏差値の目安学費の目安
フィリピン大学ビサヤ校(イロイロ)14位63約16万円〜
ウェスト・ビサヤ州立大学(イロイロ)37位44約3万円〜
セントラル・フィリピン大学(イロイロ)80位55約15万円〜
セント・ラサール大学(バコロド)92位41約30万円〜

地域ごとの暮らしと大学の魅力は、「フィリピン大学留学ガイド」の地域別の節でくわしく紹介しています。

視点④:国公立大学か私立大学か

フィリピンの大学は、国公立大学(国立・州立・市立。分校を含む)が約700校、私立大学が約1,600校あります(2024〜25年度・フィリピン高等教育委員会)。国立大学と呼べるのはフィリピン大学の系列だけで、ほかの国公立大学は州立・市立などの公立大学です。

国公立大学私立大学
学費の目安(1年・2021年時点)約1万〜10万円ほど(フィリピン大学の系列は約16万円)約10万〜50万円ほど(マニラの上位校ほど高い)
入試難しい。フィリピン人の優秀な学生と同じ科目で競う大学によって違う。英語の試験だけ、入試なしで出願できる大学もある
施設古いところが多い学費が高い大学ほど整っている
留学生少ない。受け入れに慣れていない大学が多い多い

国公立大学は学費が安い一方で、入試が難しく、留学生の受け入れに慣れていない大学が多いため、実際には多くの留学生が私立大学を選んでいます。私立大学どうしの学費の差は、生活費に比べるとそれほど大きな負担の差にはなりません。学費だけで国公立か私立かを決めず、学部・入試・暮らしやすさとあわせて選びましょう。

国公立大学の特徴と、主な国公立大学の一覧は「フィリピンの国公立大学と私立大学の違い」にまとめています。

視点⑤:留学生の受け入れと授業の言葉を確かめる

留学生を多く受け入れている大学は、出願や入学の手続き、入学後のケアに慣れています。反対に、留学生の受け入れが少ない大学では、手続きが遅れたり、担当の窓口がはっきりしなかったりして苦労しがちです。

もうひとつ必ず確かめたいのが、英語で授業をする決まり(English Policy)があるかです。フィリピンの大学の授業は英語が基本ですが、決まりがない大学や、決まりがあっても守られていない大学では、授業の一部がタガログ語で進むことがあります。バギオのコーディリエラ大学にも英語を使う決まりはありましたが、ユキさんが在学していた当時は徹底されていませんでした。ユキさんは在学中を次のように振り返っています。

さらに困ったのが、授業が時々タガログ語で行われることです。大学に入るまでタガログ語に触れたこともなかった私は、講義の内容も先生の指示もわかりませんでした。

ユキさん(コーディリエラ大学卒業)|体験記を読む

ユキさんが大学を決めたときの理由は、次の4つでした。

  • 外国人の学生が比較的多い
  • 宗教色が強くない
  • 自分の学びたいコースがある
  • 街の中心にあって通いやすい

当社からは、サウスウェスタン大学・シリマン大学・サンカルロス大学・セントロ・エスコラール大学・ホセ・リサール大学・バギオ大学・コーディリエラ大学・セントルイス大学に、日本人の進学実績があります。どの大学も留学生を受け入れており、英語の試験だけ、または入試なしで出願できる大学が中心です。

視点⑥:学費と生活費を合わせて4年分で考える

フィリピンの大学の学費は、1年で約10万〜30万円が中心です。家賃や食費などの生活費を合わせると、2年目からは1年で約93万〜174万円、4年間で約375万〜698万円が目安です(学費は2021年時点の目安、生活費は2026年の相場)。

費用の大半は生活費で、生活費の中でいちばん大きいのが家賃です。そのため、学費の安さよりもどの街で暮らすかのほうが、4年間の総額に大きく響きます。マニラは家賃が高く、バギオ・ダバオ・イロイロ・バコロドなどの地方都市は安めです。涼しいバギオはエアコンが要らず、電気代もおさえられます。

学費・生活費の内訳と、費用をおさえる考え方は「フィリピン大学留学の費用」でくわしく解説しています。

フィリピンの大学ランキングの見方

フィリピンの大学を比べる物差しとしてよく使われるのが、世界の大学ランキングです。当サイトでは、次の2つを使っています。

ランキング何で順位が決まるか使いどころ
EduRank(2026年版)研究の成果(論文の数や引用のされ方)・卒業生の活躍などフィリピン国内の100位までを見渡す
QSアジア大学ランキング(2026年版)研究者や企業からの評判・教員1人あたりの学生数・論文など日本の大学と並べて位置を比べる

見るときに気をつけたいのは、ランキングは研究や評判の順位で、入学のしやすさの順位ではないことです。たとえばQSアジア大学ランキング2026では、フィリピン大学が104位で、早稲田大学・慶應義塾大学(58〜59位)と立命館大学(139位)の間に入ります。ただ、マニラの上位の大学は、数学や理科も英語で解く試験を受けるので、日本人にとっての難しさは偏差値の数字から受ける印象より高いと考えてください。

反対に、100位前後の大学でも、学部によっては国の優良認定を受けていたり、留学生の受け入れに慣れていたりします。順位は「候補の大学がどのくらいの位置にあるか」を確かめるために使い、決め手は6つの視点で考えましょう。

トップ10のくわしい特徴と、11〜100位の一覧は、次の記事にまとめています。

日本人が失敗しやすい大学の選び方

フィリピンの大学選びで、日本人がつまずきやすいのは次の6つです。

1. ランキングの順位だけで決める

マニラの上位の大学は、入試の科目が多く、入試も入学の1年ほど前にあります。海外から受けるにはハードルが高い方式です。順位だけで目指す大学を決めると、準備が間に合わなかったり、受かっても授業についていけなかったりします。

2. 学費の安さだけで国公立大学を選ぶ

国公立大学は学費が安い一方で、入試が難しく、留学生の受け入れに慣れていない大学が多いです。施設も古いところが多く、入学できても暮らしや手続きで苦労しがちです。

3. 入学の時期から逆算していない

マニラの難関大学は入学が年1回で、入試は入学の1年ほど前です。地方の大学は年2回入学できるところが多く、入試は入学の1か月ほど前です。同じ「9月に入学したい」でも、どの大学を受けるかで準備を始める時期がまったく変わります。時期ごとの手順は「入学までの流れ」で解説しています。

4. 授業の言葉と留学生の受け入れを確かめていない

英語で授業をする決まりがない大学や、決まりが守られていない大学では、授業の一部がタガログ語で進むことがあります。留学生が少ない大学は、手続きの窓口も慣れていません。大学の公式サイトだけでは分からないことが多いので、見学や相談で確かめましょう。

5. 学びたい学部を確かめずに、大学の名前で決める

大学の名前が有名でも、学びたい学部がなかったり、学部の評価が高くなかったりすることがあります。先に学部を決め、その学部がある大学、COEやCODに選ばれている大学から探しましょう。

6. 大学を見ずに決める

ユキさんは、バギオ市内の大学のうち、街の中心から通いやすい4校を実際に見学して回ったうえでコーディリエラ大学に決めました。「実際に見学してから大学を決めることを強くおすすめします」と話しています。見学で確かめておきたいのは、次の7つです。

  • 英語で授業をする決まり(English Policy)があるか
  • 大学や学生の雰囲気、校風
  • 立地(街の中心に近いか)
  • 授業料
  • 学びたい学部・コースがあるか
  • 外国人の学生の数
  • カリキュラム

大学選びから出願・入学までの体験は、「フィリピンの大学に留学した日本人の体験記」で読めます。当社の大学進学サポートでも、現地スタッフと一緒に大学を回る見学ツアーをご用意しています。

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まとめ:フィリピンの大学を選ぶ順番

フィリピンの大学は、次の順番で選ぶと迷いにくくなります。

  1. 学びたい学部を決め、その学部がある大学を探す(COE・CODも目安にする)
  2. 自分の英語力と準備できる期間から、マニラの難関大学か、英語の試験が中心の地方の私立大学かを決める
  3. 4年間暮らせる地域をしぼる
  4. 国公立か私立か、留学生の受け入れと授業の言葉を確かめる
  5. 学費と生活費を4年分で計算し、払い続けられるか確かめる
  6. ランキングで候補の大学の位置を確かめ、できれば見学してから決める

大学の候補が決まったら、出願できる条件を「フィリピンの大学の入学条件」で、準備の時期と手順を「入学までの流れ」で、学生ビザを「フィリピンの大学留学に必要なビザ」で確かめてください。

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この記事を書いた人

フィリピン留学Hub代表。2013年からフィリピン・セブ島留学の支援を続けて13年。自身も2度のフィリピン留学を経験し、TOEIC900・IELTS6.5を取得。

語学学校70校以上を現地で視察し、年間1,000件以上の留学相談に対応。学校の良い点も弱点も、見てきたまま正直に書いています。