フィリピンの大学に入学するまでの流れ|1年半前からやることと時期の目安

「フィリピンの大学に入りたい。でも、いつ、何から始めればいいのか分からない…」と迷っていませんか?

フィリピンの大学は、入試の時期も出願の方法も大学ごとに違います。特に、マニラの難関大学と地方の大学では、書類の準備を始める時期が1年近く違います。

この記事では、入学の1年半前から入学までにやることを、段階ごとに順番にまとめました。それぞれの段階で日本人がつまずきやすい所も、フィリピンの大学を卒業した日本人の体験を交えてお伝えします。

フィリピンの大学への正規留学の全体像は「フィリピン大学留学ガイド」で解説しています。

この記事の確認記録
執筆:田中慎一(代表・現地視察70校以上)/確認:フィリピン留学Hub編集部
最終確認:2026年9月24日
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最初に決めること:地方の大学か、マニラの難関大学か

入学までの段取りは、地方の大学を目指すか、マニラの難関大学を目指すかで大きく変わります。先にどちらを目指すかを決めておくと、いつ何をすればいいかがはっきりします。

項目地方の大学マニラの難関大学
入学の時期年2回(8月ごろ・1〜2月ごろ)のところが多い年1回(8〜9月ごろ)
書類の準備を始める時期入学の4か月ほど前から入学の1年2か月以上前から
出願と入試入学の1か月ほど前にフィリピンへ渡り、大学の窓口で申し込んで受験オンラインで出願。入学する前の年の夏〜年末に試験や締め切り
入試の中身英語力を測る試験が中心数学・科学・英語など、フィリピン人の受験生と同じ科目

マニラの難関大学は、試験が難しいうえに、受験から入学まで1年近く空きます。日本の学生には、地方の大学か、英語力の試験で合否を決める大学への進学をおすすめしています。入試の時期と中身はフィリピンの大学の入試と出願書類で詳しく解説しています。

入学の1年半前から入学までの流れ(一覧)

フィリピンの大学に入学するまでの流れ

入学までの流れと時期の目安を、一つの表にまとめました。時期は「入学する月」から逆算しています。入試や入学の時期は大学や年によって変わるので、最新の日程は出願する大学の公式サイトで確かめましょう。

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段階時期の目安やること
① 情報集め・大学選び入学の1年半前〜地方の大学かマニラの難関大学かを決め、候補の大学をしぼる
② 英語の準備入学の1年半前〜受験まで授業についていける英語力を付ける(当社が勧める目安:難関大学 IELTS 6.0〜6.5ほど/地方の大学 5.0〜5.5ほど)
③ 入学条件と必要書類の確認書類の準備を始める前学歴・英語力・必要な書類を、出願する大学に確かめる
④ 書類の準備地方の大学:入学の4か月ほど前〜
マニラの難関大学:入学の1年2か月以上前〜
卒業証明書・成績証明書・戸籍謄本と英訳をそろえ、外務省でアポスティーユを受ける(私立の学校の証明書は先に公証役場)
⑤ 出願・入試地方の大学:入学の1か月ほど前
マニラの難関大学:入学する前の年の夏〜年末
地方の大学は現地の窓口で申し込んで受験。マニラの難関大学はオンラインで出願し、現地で受験
⑥ フィリピンへ渡る地方の大学:入学の1か月ほど前
マニラの難関大学:受験と入学の時期に合わせて(大学の案内に従う)
アポスティーユを受けた書類の原本を持って渡る
⑦ 学生ビザの手続き合格後合格した大学を通して、学生ビザ(9F)の手続きを進める
⑧ 入学手続き合格後、大学が決めた日書類を出し、学費を現地通貨で払う
⑨ 住まい探し・生活の準備渡ってから入学まで部屋を決め、生活に必要なものをそろえる
⑩ 入学・授業開始地方の大学:8月ごろか1〜2月ごろ
マニラの難関大学:8〜9月ごろ
授業が始まる

たとえば8月ごろに地方の大学へ入学する場合は、次のような流れになります。

  • 前の年の2月ごろから:情報集め・大学選び・英語の準備
  • 4月ごろから:書類の準備(英訳・アポスティーユ)
  • 7月ごろ:フィリピンへ渡り、大学の窓口で申し込んで受験
  • 合格後:入学手続き・学生ビザの手続き・住まい探し
  • 8月ごろ:入学

8〜9月ごろにマニラの難関大学へ入学する場合は、前の年の6〜7月ごろまでに書類の準備を始め、前の年の夏〜年末に試験や出願の締め切りを迎えます。情報集めと英語の準備は、前の年の春よりも前から始めておきましょう。

段階ごとにやることと、つまずきやすい所

ここからは、表の①〜⑩を一つずつ説明します。

① 情報集め・大学選び(入学の1年半前〜)

まず、地方の大学とマニラの難関大学のどちらを目指すかを決めます。どちらを選ぶかで、書類の準備を始める時期が1年近く変わるからです。

そのうえで、学びたい学部があるか、授業が英語で行われるか、大学のある街、学費などを比べて、候補の大学をしぼります。選び方はフィリピンの大学の選び方、大学ごとの位置づけはフィリピンの大学ランキングで確認できます。

つまずきやすい所:大学の公式サイトだけでは分からない
フィリピンの大学の募集要項は、フィリピン国内の学生向けに書かれていることが多く、外国人の留学生にはそのまま当てはまりません。バギオのコーディリエラ大学を卒業した日本人も、「フィリピンの大学の情報はネットにほとんどなく、大学のホームページくらいしかありませんでした」と振り返っています。この卒業生は候補の4校を実際に見学して回り、英語で授業をする決まりがあるか、外国人の学生の数、学びたいコースがあるかを確かめてから決めました。

② 英語の準備(入学の1年半前〜受験まで)

フィリピンの大学は、授業も入試も英語です。当社が勧める英語力の目安は、マニラの難関大学でIELTS 6.0〜6.5ほど、地方の大学で5.0〜5.5ほどです。

英語が苦手な方は、①の情報集めと同時に始めましょう。英語の勉強は日本でもできます。そのうえで、入学前にフィリピンで英語を集中して学び、大学の授業についていける力を付けてから受験するのがいちばんの近道です。英語の準備・入試対策・出願の手続きをまとめて進めたい方は、フィリピンの大学進学対策のページをご覧ください。

つまずきやすい所:入試に受かっても、授業についていけない
地方の大学の入試は英語力を測る試験が中心で、難しくない大学もあります。ただ、入学すれば授業を英語で聞き、英語で答え、最後は英語で論文を書きます。卒業生も、入学してすぐは学問で使う英単語が足りず、専門用語が次々に出てきて授業が分からなかったと話しています。入試に受かる英語力ではなく、授業についていける英語力を目標にしましょう。

③ 入学条件と必要書類を大学に確かめる(書類の準備の前)

書類を取り寄せる前に、出願する大学の入学条件を確かめます。学歴(日本の高校は12年間)の扱い、年齢、英語力、必要な書類は、大学によって違います。誰が出願できるか、どんな書類が要るかはフィリピンの大学の入学条件にまとめています。

卒業証明書や成績証明書のほかに、学費を払えるだけの資金があるかを確かめるため、銀行口座の残高証明を求める大学もあります。

つまずきやすい所:確かめないまま書類を作ってしまう
どの書類が必要か、英訳にも認証が要るかは大学によって違います。確かめないまま書類を作ると、あとで足りない書類が見つかり、取り寄せと手続きをやり直すことになります。

④ 書類をそろえてアポスティーユを受ける

書類の準備は、地方の大学なら入学の4か月ほど前、マニラの難関大学なら入学の1年2か月以上前から始めます。

日本でそろえる基本の書類は、次の3つです。

  1. 最終学歴(高校以上)の学校の卒業証明書(英訳)
  2. 最終学歴(高校以上)の学校の成績証明書(英訳)
  3. 戸籍謄本(全部事項証明書)(英訳)

書類がそろったら、日本の外務省で「アポスティーユ」という証明を受けます。私立の学校や大学が出した証明書は、先に公証役場で認証を受けてから外務省に申請します。アポスティーユを受けた書類は、フィリピン大使館での認証を受けなくても、そのままフィリピンで使えます。書類ごとの手続きと費用は、入試と出願書類の記事で詳しく説明しています。

つまずきやすい所:早く取り寄せすぎると、証明を受けられない
外務省で証明を受けられるのは、原則として発行日から3か月以内の原本です。コピーには証明を付けられません。証明書は、アポスティーユの申請に間に合う時期に取り寄せましょう。

卒業生は、当時必要だった役所・外務省・フィリピン大使館での認証を全部自分で行い、何度も窓口に足を運びました。出願から入学手続きが終わるまでに、日本とフィリピンを何度も行き来しました。今はフィリピン大使館での認証は要りませんが、書類の準備に手間と時間がかかることは変わりません。

⑤ 出願・入試

ファーイースタン大学

フィリピンには、日本の大学入学共通テストのような全国共通の試験はありません。大学ごとに出願し、それぞれの入試を受けます。

地方の大学(入学の1か月ほど前)
フィリピンへ渡り、大学の留学生向けの窓口か入試を担当するオフィスで、受験を申し込みます。オンラインで出願を受け付ける大学もあるので、申し込みの方法は事前に大学に確かめておきましょう。試験は英語の筆記と面接が中心で、合否は試験の当日か翌日に出ることがほとんどです。

マニラの難関大学(入学する前の年の夏〜年末)
オンラインで出願します。試験は数学・科学・英語など、フィリピン人の受験生と同じ科目です。合格発表の時期は大学によって異なります。

つまずきやすい所:締め切りと支払いの方法
マニラの難関大学は入学が年1回なので、出願の締め切りを逃すと次は1年後になります。大学のサイトからの申請や、フィリピンでしか使えない支払い方法での受験料の支払いなど、日本から一人で進めにくい手続きもあります。地方の大学でも、試験当日のスタッフの説明は英語です。

⑥ フィリピンへ渡る

地方の大学を受ける場合は、入学の1か月ほど前にフィリピンへ渡ります。卒業生も「入学日を調べたら、1か月前には現地に入っておくのがおすすめ」と話しています。受験のほかに、入学手続きと住まい探しに思った以上に時間がかかるからです。

マニラの難関大学も、日本人の受験生は現地で入試を受けます。試験の日程と、合格後いつまでに渡るかを、大学の案内で確かめてから渡ります。どのビザで入国するか、観光で入国して受験する場合の扱いは、フィリピンの大学留学に必要なビザで確認してください。

つまずきやすい所:日本に書類を忘れてくる
アポスティーユを受けた書類の原本は、受験の申し込みと入学手続きで使います。必ず持って渡りましょう。外務省は海外からの郵送での申請を受け付けていません。渡ってから足りない書類に気づくと、日本にいる人に委任状を渡して、代わりに申請してもらうことになります。

⑦ 学生ビザの手続き(合格後)

合格したら、学生ビザ(9F)の手続きに進みます。学生ビザの手続きは、合格した大学を通して進みます。ビザの種類、日本で取る場合とフィリピンで切り替える場合の違い、必要書類はビザの記事にまとめています。

つまずきやすい所:どちらの方法でビザを取るか、渡る前に決めていない
学生ビザは、日本のフィリピン大使館で取る方法と、フィリピンで観光から切り替える方法の2通りがあり、どちらで進めるかは合格した大学に確かめます。日本で取る場合は、日本の警察で取る犯罪経歴証明書と医師の健康診断書にもアポスティーユが要ります(私立の病院の健康診断書は先に公証役場で認証)。外務省は海外からの郵送の申請を受け付けていないので、日本で取るなら、これらの書類は渡る前にそろえておきましょう。

⑧ 入学手続き(合格後、大学が決めた日)

合格したら、大学から伝えられる日に入学手続きをします。手続きでは、外務省でアポスティーユを受けた卒業証明書・成績証明書・戸籍謄本(英訳を付けたもの)が必要です。学費は、入学手続きのときに現地通貨で大学に直接払います。学費と生活費の目安はフィリピン大学留学の費用をご覧ください。

つまずきやすい所:事務所をたらい回しにされる
卒業生は「入学手続きには、1週間くらいかかるつもりでいてください」と話しています。事務所で入学したいと伝えると別の事務所へ行くよう言われ、そこでは「その書類はここじゃないの」、次の事務所では「今は担当がいないから、明日来て」。翌日行くと「また明日取りに来てね」と言われ、たらい回しと待ち時間が続きました。入学手続きの日は余裕を持って空けておき、先に大学へ行って、手続きの日・必要な書類・学部とコースを確かめておくと安心です。このときの話はフィリピンの大学に留学した日本人の体験記で読めます。

⑨ 住まい探しと生活の準備(渡ってから入学まで)

フィリピンの大学生が住む部屋

住まいは、アパートを借りる、大学の学生寮に入る、ルームシェアをするなどの方法があります。部屋を決めたら、家具やインターネット、近くのスーパーや病院の場所など、生活に必要なものを整えます。探し方はフィリピン大学留学の物件の探し方にまとめています。

つまずきやすい所:家賃の安さだけで部屋を選ぶ
卒業生は最初、シャワーがなくお湯も出ない安い部屋に住み、毎朝4時に起きて水を温めてから体を洗っていました。あまりに大変で、数か月後に家賃の高いアパートへ移っています。勉強以外のことに気を取られると、肝心の勉強に力を注げません。少し高くても、快適に過ごせる部屋を選びましょう。

⑩ 入学・授業開始

入学は、地方の大学なら8月ごろか1〜2月ごろ、マニラの難関大学なら8〜9月ごろです。

卒業生の大学では、授業は月曜から土曜まで、朝から夜まで。課題や小テストも多く、家に帰ってからも夜中まで課題と復習をする毎日でした。入学前の準備でへとへとにならないよう、①〜⑨を早めに終わらせておきましょう。

自分で進めるか、サポートを使うか

①〜⑩をすべて自分で進めることもできます。その場合は、大学への問い合わせ(英語)、書類の取り寄せと認証、出願と受験料の支払い、入学手続き、住まい探しを一人で行います。

卒業生は「代行サービスや、フィリピンの大学留学に詳しいエージェントがあるなら、『お金がもったいない』と思わずに使うことをおすすめします」と話しています。一人で進めて分からないことだらけになると、時間もお金もむだにしてしまうからです。エージェントを使うかどうかの考え方はエージェントは使うべき?の記事にまとめています。

フィリピン留学Hubの大学進学サポートでは、ご希望に合う大学の受験情報(出願の時期・受験科目・結果発表・入学の時期)の調査から、入学に必要な公的書類の取得、受験の申請、受験料の送金の代行、入学手続き、住まい探し、現地の銀行口座の開設までを、段階ごとのプランで支えています。内容は②で紹介した大学進学対策のページにまとめています。

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大学院に進む場合・編入する場合

この記事の流れは、高校を卒業してフィリピンの大学に1年生から入る場合のものです。大学院に進む場合や、日本の大学からフィリピンの大学に編入する場合は、卒業した(在学している)大学の成績証明書や推薦状など、求められる書類が変わります。選考の方法や時期も大学によって異なるので、上の大学進学の相談からお問い合わせください。

まとめ

フィリピンの大学に入学するまでの流れを、入学の1年半前から段階ごとにまとめました。

  • 最初に、地方の大学かマニラの難関大学かを決める。書類の準備を始める時期が、入学の4か月ほど前と1年2か月以上前で大きく違う
  • 英語は、授業についていける力を目標に。当社が勧める目安は、難関大学でIELTS 6.0〜6.5ほど、地方の大学で5.0〜5.5ほど
  • 書類は外務省でアポスティーユを受け、原本を持って渡る。フィリピン大使館での認証は不要。海外から外務省へ郵送で申請はできない
  • 地方の大学は、入学の1か月ほど前に渡って受験する。入学手続きと住まい探しには思った以上に時間がかかる

フィリピンの大学への進学は、準備することが多く、一つ遅れると入学が半年から1年先に延びることもあります。逆算して早めに動き始めることが、いちばんの近道です。

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この記事を書いた人

フィリピン留学Hub代表。2013年からフィリピン・セブ島留学の支援を続けて13年。自身も2度のフィリピン留学を経験し、TOEIC900・IELTS6.5を取得。

語学学校70校以上を現地で視察し、年間1,000件以上の留学相談に対応。学校の良い点も弱点も、見てきたまま正直に書いています。