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2カ国留学とは、最初にフィリピンで英語の土台を作り、そのあとカナダやオーストラリアなどの英語圏へ移る留学のしかたです。英語圏では語学学校に通う人もいれば、ワーキングホリデー(ワーホリ)で働く人もいます。
この記事では、2カ国留学のメリットとデメリット、フィリピンの期間の決め方、費用の考え方を、13年この仕事をしてきた立場からお話しします。英語圏の交換留学に届かずフィリピンで半年学んだ大学生と、フィリピンで3ヶ月学んでからニュージーランドでワーホリをした人の体験談も紹介します。

先に結論を言うと、英語初心者が英語圏で1年過ごすなら、フィリピンを先に入れる2カ国留学はとても理にかなっています。ただし「3ヶ月+3ヶ月」のように期間を先に決め打ちすると、うまくいかないことがあります。
2カ国留学は、2つの国の役割を分ける留学です。
英語圏の過ごし方は、語学学校・カレッジ・ワーホリのどれでも組み合わせられます。中でも多いのが、ワーホリの最初の数ヶ月に予定していた語学学校の期間を、フィリピン留学に置き換える形です。
| 項目 | フィリピン | 英語圏(カナダ・オーストラリアなど) |
|---|---|---|
| 授業の形 | マンツーマンが中心 | グループが中心 |
| 話す量・直される回数 | 多い | 少なめ |
| 住まい・食事 | 学生寮・食事込みが多い | ホームステイかシェアハウス(別払い) |
| 授業の外の英語 | 寮と学校の中が中心 | 生活のすべて |
| 向いている時期 | 英語の土台づくり | 土台を実際に使う段階 |
行く順番は、フィリピンが先です。英語圏を先にして、思ったように伸びずにフィリピンへ来る人もいますが、英語圏の高い生活費と時間を使ったあとなので、遠回りになります。フィリピンと欧米そのものの違いはフィリピン留学と欧米留学の比較でくわしく書いています。
カナダやオーストラリアの語学学校は、1クラス10〜15人ほどのグループ授業が基本です。先生が1人に向き合う時間は短く、分からない単語があっても、授業はそのまま次へ進みます。
フィリピンは授業の多くがマンツーマンです。自分が話し、先生がその場で直し、もう一度言い直す。この繰り返しの量が、グループ授業とは比べものになりません。英語初心者が最初に必要なのは、この「話して直される回数」です。
フィリピンの留学費用には、授業・学生寮・食事・掃除や洗濯まで含まれていることが多いです。英語圏では、授業料とは別に家賃・食費・交通費が毎月かかります。
住まいや生活費まで含めた総額で比べると、これまで見積りを作ってきた実感として、英語圏はフィリピンのおよそ1.5倍から2倍前後になることが多いです。英語の土台づくりをフィリピンで済ませれば、そのぶん英語圏で使えるお金と時間が残ります。
英語圏での最初の1ヶ月は、家探し・銀行・携帯・仕事探しと、英語でのやり取りが一気に押し寄せます。フィリピンで英語だけの生活に慣れておくと、この最初の1ヶ月を、つまずかずに使えるようになります。後半の体験談②で、実際にどう変わったかを紹介します。
航空券・学校の申込み・保険・ビザの確認が、2つの国のぶん必要です。英語圏の学校は入学日や空き状況があり、ワーホリはビザの有効期限があります。フィリピン側と英語圏側の日程を、最初に並べて組んでおく必要があります。
フィリピンの語学学校は全寮制で、部屋が空いていないと受け付けてもらえません。申込みは渡航の3ヶ月〜半年前が目安です。
同じ英語力から始めても、3ヶ月後にどこまで伸びているかは人によって違います。期間で区切るより、「この会話力まで届いたら英語圏へ移る」という基準を先に決めるほうが確実です。目安はすぐ下の「期間の決め方」で説明します。
フィリピンは英語を伸ばす環境が整っている場所ですが、授業の外で日本語だけで過ごしたり、週末を遊んで終えたりすれば、そのぶん伸びは止まります。授業の外でも英語を使うかどうかは、自分次第です。
フィリピン人講師の英語には、ネイティブとは違う特徴があります。ただ、英語を教える講師は聞き取りやすく話し、発音も直してくれます。英語圏にもイギリス・オーストラリア・ニュージーランドそれぞれの訛りがあり、どこで学んでも「完全に同じ英語」はありません。くわしくはフィリピン英語の訛りは移るのかで検証しています。
2カ国留学でいちばん多い相談は「フィリピンは何ヶ月にすればいいか」です。私は、期間ではなく到達したい会話力で決めることをすすめています。
ただし、英語圏の学校の入学日やワーホリのビザの期限が決まっている場合は、その日程も含めて判断します。B2に届いたかを確かめる5つの質問と、移る時期の決め方はフィリピン留学と欧米留学の比較の「2カ国留学」の節にまとめています。3ヶ月の留学でどこまで伸びるかは3ヶ月の留学の費用と効果も参考にしてください。
同じ条件(1ドル160円)で計算し直すと、学費・滞在費・食費・生活費・航空券・保険まで含めた1ヶ月の総額は、フィリピン(セブ島)が約40万円、カナダ・オーストラリア・ニュージーランドが69万〜76万円です(どちらも1ヶ月だけ行く場合の、往復の航空券込みの金額です)。同じ期間を英語圏で過ごすと、フィリピンのおよそ1.7〜1.9倍かかる計算です。
2カ国留学の総額は、次の合計で考えます。
国ごとの費用の違いは留学費用が安い国ランキングで、同じ条件に計算し直して比べています。
2015年にフィリピン・クラークの語学学校を訪ねたとき、大学で英語を専攻している楠根さん(当時20歳)に話を聞きました。将来は中高一貫校の英語の先生になりたいという方です。

もともとはアメリカ・イギリス・オーストラリアへの交換留学を考えていましたが、どれもTOEICの点数の条件があり、当時の英語力では届きませんでした。
考えを変えたのは、アルバイト先の塾の先生が、フィリピンに半年留学して帰ってきた姿を見たときです。
そんなに話せる人じゃなかったのに、すごく話せるようになって帰ってきたんです。誰にでも自分から話しかけに行くようになっていて。最初はフィリピンをなめていたんですけど、いいかもしれないって思い直しました。
訛りは大丈夫なのか、フィリピン英語とは何なのか、と1ヶ月ほど悩んだそうですが、実際に話せるようになった人に直接いろいろ聞いて、不安を解消してから決めました。
話を聞いたのは、留学して2ヶ月がたったころでした。
前は単語を1つずつ区切ってしか読めなかったのに、つなげて滑らかに読めるようになりました。先生がOKを出すまで1文ずつ読み直す授業があって、それが一番きつくて、一番よかったです。
その場で「英語で自己紹介をしてください」とお願いすると、家族や趣味の話まで、ためらわずに英語で話してくれました。
楠根さんより少し遅れて、友達がカナダの語学学校に通い始めました。そのあとワーホリで働く予定でした。LINEで授業の様子を聞くと、クラスは1対10人、15人。友達からは「え、そっちはマンツーマンなの?」と驚かれたそうです。
もし最初の予定どおりアメリカに行っていたら、今のところまで4ヶ月くらいかかったと思います。グループだと、自分より話せる人がいたら黙ってしまうし、分からない単語を辞書で引いているうちに授業が次に進んでしまう。マンツーマンだと、その場ですぐ解決するし、とにかく話させられるんです。
この学校には、ワーホリに行ったものの英語が足りず、日本食レストランでしか働けなかったという生徒が何人も来ていました。英語圏へ行くなら、順番を逆にしない。フィリピンで土台を作ってから行く。楠根さんとも、そんな話になりました。
半年の留学を終えた楠根さんのTOEICは、900点になっていました。交換留学の点数の条件に届かなかった人が、大学の中でもほぼトップクラスの点数まで伸ばしたことになります。
フィリピンに3ヶ月留学してから、ニュージーランドでワーホリをした方の体験です。

留学前のTOEICは520点。海外旅行では身振り手振りと単語で乗り切るレベルでした。3ヶ月の留学のあとは710点まで伸び、ニュージーランドに入ってからも、英語ですぐに友達を作れたそうです。
学校にはワーホリを控えた生徒向けの授業もあり、英文の履歴書の書き方や、仕事の面接での自己アピールを事前に練習できたことが、現地での仕事探しに役立ったといいます。
ワーホリで最初にぶつかるのは、家探し・仕事探し・レンタカーなど、細かい確認が必要な手続きです。
「このお金は保証金ですか?」「契約期間は?」「追加料金はありますか?」と、細かいところまで英語で確かめてから契約できました。フィリピンでバンを予約したときに追加料金を請求されたことがあって、それ以来、必ず確認するようになったんです。フィリピンの物価なので金額は小さかったですが、いい予行練習になりました。

フィリピン人講師の訛りも心配していたそうですが、ニュージーランドに着いてから訛りで困ったことはなかったそうです。
以前、こんな相談をいただきました。
英語は超初心者です。フィリピン留学とワーホリの2カ国留学にするか、オーストラリアで1年ワーホリをするか迷っています。バイトで費用をためているので、できるだけ節約したいです。
費用だけを見れば、現地で働いて稼げるワーホリ1本のほうが安く見えます。ただ、英語初心者がグループ授業の語学学校に数ヶ月通っただけでは、英語を使う仕事に就ける会話力にはなかなか届きません。結果として、英語を使わない日本食レストランや、黙々とこなす作業の仕事で1年を過ごしてしまう人が少なくありません。
このとき私がおすすめしたのは、オーストラリアの語学学校に通う予定だった期間を、そのままフィリピン留学に置き換える方法です。飛行機代は1回ぶん増えますが、同じ期間でマンツーマンの授業を受け、英語で働く準備をしてからワーホリを始められます。
フィリピンの学校の中には、カフェでの接客の練習や英文の履歴書・面接の対策など、ワーホリに向けたコースを持つところもあります。ワーホリ向けのコースがある学校と費用はワーホリ準備のフィリピン留学(おすすめ学校と費用)で、ワーホリでつまずく人の典型はワーキングホリデーで失敗する人の典型パターンで紹介しています。
ワーホリができるカナダ・オーストラリア・ニュージーランドとの組み合わせが多いです。どの国がよいかは、英語圏で何をしたいか(働きたい・学校に通いたい・住んでみたい街がある)で決まります。先に英語圏の国を決め、そこへ移る前の準備としてフィリピンの期間と学校を選ぶ、という決め方がおすすめです。
フィリピン留学Hubでは、フィリピン側の学校選び・お申込みと、英語圏へ移るタイミングのご相談をお受けしています。英語圏の学校やワーホリの手配は、ご希望があれば、カナダやオーストラリアの留学エージェントをご紹介します。
できます。全体で6ヶ月を超える期間を取れるなら、英語がほとんど話せない人ほど、フィリピンを先に入れる意味が大きくなります。6ヶ月以下なら、まずフィリピンに期間を集中させるほうが合う場合もあります。ゼロから始めた人がどう伸びたかは英語力ゼロで留学したらどうなるかで紹介しています。
フィリピンの期間を何ヶ月にするか、どの学校にするかは、今の英語力と英語圏での目的で変わります。迷ったら、気軽にご相談ください。
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フィリピン留学Hub代表。2013年からフィリピン・セブ島留学の支援を続けて13年。自身も2度のフィリピン留学を経験し、TOEIC900・IELTS6.5を取得。
語学学校70校以上を現地で視察し、年間1,000件以上の留学相談に対応。学校の良い点も弱点も、見てきたまま正直に書いています。

フィリピン留学Hubは、セブ島を中心としたフィリピン留学専門のエージェントです。2013年から13年、代表が現地で70校以上を視察してきました。1週間~1ヶ月の短期留学、3ヶ月以上の語学留学、大学正規留学まで、お一人ずつに合う学校と費用をご案内します。
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